街角点描=コロナ禍でも続けた句会

「パンデミック中も俳句会をずっと続けていましたよ」――全伯俳句大会に参加したグァタパラ俳句会の3人に話を聞くと、そんな驚きのエピソードを披露してくれた。
同句会のメンバーは8人。みなグァタパラ移住地に住んでいる。句会は、会館の投稿箱に15日までに投句し、それを係が書き写して全員に渡し、そこから各人が良いと思う句を選句して投稿箱に戻し、係が選句用紙を集計して順位を付けるという独自のやり方で行っている。
さすがに対面ではないが、会館の投稿箱を挟んで毎月作品を見せ合っていた。パンデミックの間も欠かさず毎月1回続けてきたという。
近藤佐代子さん(72、神奈川県出身)によれば「グァタパラは今年で移住地創立60周年。最初の頃は佐藤念腹先生が来られていました。私はソグロ(義父)を車で句会まで連れて行って、終わるまで待っていました。それが俳句との出会いで、いつの間にか自分も作るようになっていました」というから、句会の歴史も相当古い。
今も移住地には80家族300人ほどがおり、「孫まで日本語を話す家もある」とのこと。今でも日本語が通じるという意味では、ブラジルでも珍しい移住地に違いない。(深)