site.title

連載小説=自分史「たんぽぽ」=黒木 慧=第35話

2022年9月6日

 子供が生まれてからの美佐子の仕事は大変だった。朝、授乳後、ベッドに寝かせて、仕事に出る。九時半の昼食に帰って来るのに、家の近くに来て、赤ん坊の泣き声を聞くと安心する。また、昼から仕事に出る。子供が這い回る様になると、ベッドの周りを板で囲んで子供は泣き疲れて眠っていた。こんな毎日だった。

    その頃の森田農場

 私達が独立して、森田家を出てから森田農場にはたくさんの戦後移住者の出入りがあった。独身青年が数人出入りしたけど、それ以上に家族移民がたくさん配耕されて来て、また出て行った。あんな人もいたなぁーと顔はおぼろげながら想い出しても名前は忘れてしまっている。...

会員限定

有料会員限定コンテンツ

この記事の続きは有料会員限定コンテンツです。閲覧するには記事閲覧権限の取得が必要です。

認証情報を確認中...

有料記事閲覧について:
PDF会員は月に1記事まで、WEB/PDF会員はすべての有料記事を閲覧できます。

PDF会員の方へ:
すでにログインしている場合は、「今すぐ記事を読む」ボタンをクリックすると記事を閲覧できます。サーバー側で認証状態を確認できない場合でも、このボタンから直接アクセスできます。

Loading...