熟ク連=地蔵祭りを3年ぶり開催=先亡会員を追悼、奉納芸能も

ブラジル日系熟年クラブ連合会(辺原良子会長)主催の第11回地蔵祭りが、8月19日午後0時半からサンパウロ市リベルダーデ区の同連合会会館で行われ、会員ら約20人が一堂に会した。コロナ禍により、久しぶりの対面での公式行事となった同祭は3年ぶりの開催で、小雨降る寒さの中、会館内サロンに場所を移して実施された。
地蔵祭りでは法華経による読経の中、コロナ禍で亡くなった会員の冥福を祈るとともに、今後の連合会の繁栄を祈願して、辺原会長をはじめ出席者全員が焼香を行った。
辺原会長はあいさつで、08年の移民100周年の時に地蔵を建立して同祭が始まった経緯を説明。「今年も大勢の方々が亡くなられましたが、ありがたいお経を喜んでいただけたと思います。これからも皆様のご健康と熟年クラブ連合会の発展を願い、お地蔵様と一緒に元気でやっていきたいです」と述べた。

引き続き、広瀬哲洋第1副会長の司会により奉納芸能が行われた。小池深志さんの『黒田節』を皮切りに、『あがらっしゃれ』(会田郁子さん)、『灘の酒造り唄』(浜田輝夫さん)、『斉太郎節』(藤原より子さん)、『長者の山』(滝ケ平功さん)、『相馬土搗唄』(有熊茂さん)の6曲を披露。『花笠音頭』を全員で唄って民謡の部を締めくくった。
その後、特別ゲストとして参加した非日系人のマテウス・ビテンクウ・オリベイラさん(25歳)による津軽三味線の演奏も行われた。『津軽じょんがら節』をはじめ、民謡『木造り田植え唄』と、日本の津軽三味線集団・疾風の『雪月花』の力強い演奏を披露すると、参加者からは「おーっ」というどよめきの声が上がった。
最後に、マテウスさんが即興で『炭坑節』を演奏すると、参加者たちは手拍子を叩きながら自然と輪になり、会場内を踊って回った。
ピニェイロス親睦会の中川浩巳さん(85歳、熊本県出身)は「久しぶりに陽気になれて楽しく、嬉しかった」と語り、マテウスさんの演奏に感動した様子だった。