《ブラジル》市民相がアウシリオの見直しを示唆 「不正受給を避けるため」
ロナルド・ベント市民相が11日、新しい社会保障制度の一環としての生活扶助「アウシリオ・ブラジル」の登録内容を見直す意向を表明したと同日付現地サイトが報じた。
昨年11月に始まったアウシリオ・ブラジル(以下アウシリオ)はルーラ政権が導入したボルサ・ファミリアを再編成したもので、コロナ禍で困窮者が増えた事などもあり、現在は支給額も対象もボルサ・ファミリアの時期を上回っている。
現在の最低支給額は600レアル、対象家庭数は2020万世帯で、来年は2160万世帯に増えると見られているので、来年は支給に要する経費が1577億レアルに達する見込みだ。2019年のボルサ・ファミリアでの経費は320億レアルだった。
来年のアウシリオ支給額は現行通りの最低600レアルが必要との声は世論調査でも80%を超えており、大統領候補達は皆、支給額の維持を約束。ボルソナロ大統領に至っては800レアルへの増額も約束しているが、8月に連邦政府が提出した予算案には400レアル強での予算しか計上されておらず、資金源確保のために非常事態宣言を延長するという話まで出ている。
市民相は資金源などには触れず、不正受給者が出るのを防ぎ、本当に必要な人に届くために登録内容の見直しを行うと発言。アウシリオ受給者の情報は34の情報源(データソース)と繋がった統一登録システムに登録されており、見直し作業は連邦会計検査院(TCU)や連邦監査事務局(CGU)、連邦警察なども動員して行う事になる見込みだ。