《ブラジル》雇用者増でも給与低下=採用増は低学歴者に集中

労組関社会経済調査・統計所(Dieese)が13日、6月現在の就労者は9830万人で、19年同月の9420万人を上回ったが、雇用が増えたのは低学歴の人向けの職種だったと発表したと同日付伯字サイトが報じた。
Dieeseによると、地理統計院(IBGE)のデータと全国家庭サンプル調査(Pnad)継続版のデータを解析した結果、第2四半期の就労者は2昨年同期比で9・9%増えた。だが、最も増えたのはサービス業や商店などの販売員の17・9%で、設備や機械のオペレーターの15・8%がそれに続く。
これに対し、大卒以上の学位が求められる取締役や管理職は3%増、科学その他の専門知識を必要とする職種の就労者は3・4%増にとどまった。
また、就学年数が1年以下の人は31・4%、高校中退者は14%増えたが、大卒以上は3・6%しか増えていない。それでも、大卒以上だけを比較した場合は6・1%増えたという。
ただし、大卒以上の就労者増74・9万人中、学歴に見合う職に就いた人は16万人だけで、78・6%にあたる58・9万人は高卒までの人向けの職種に就いており、店頭販売員が16・4%、家庭訪問などをしながら売り歩く人が6・8%含まれていたという。
低学歴の就労者が増えている事や学歴に見合わない職種に就いた人の増加は、新規採用者の平均所得の低下も意味する。平均所得が最も下がったのは大卒以上の5・6%で、高校中退者の1・8%減がそれに続く。
一方、低学歴者の平均所得は増加傾向にあり、就学年数が1年以下の労働者の平均所得は3・2%、初等教育終了者(中卒者)の平均所得は0・8%増えたという。
なお、全就労・失業者台帳(Caged)に登録された正規雇用者の採用時の平均給与(7月)は1926・54レアルで、1年前より2・82%減少したという。