《ブラジル》失業率減るもインフレ倍増=4年前の選挙時との比較で
今年10月の統一選挙では2018年の選挙時より失業者は少ないものの、インフレは2倍以上になっていると、19日付現地サイトが報じている。
地理統計院(IBGE)が発表したデータによると、18年選挙の直前の変則第3四半期(5―7月)における失業率は12・4%だったが、今年同期は9・1%で3・3%ポイント下がっている。
これを実数に直してみると、2018年の選挙前の失業者は1310万人だったが、今年はそれが320万人減の990万人になっている計算だ。何らかの職業についている人の数は2018年の9190万人から今年は9870万人へと680万人増加。特に最近は、雇用者数が増加傾向にある。
だが、この4年間でインフレはかなり大きくなっている。2022年8月までの12カ月間の年間累積インフレ率は8・73%、2018年8月までのそれは4・19%で、2倍以上の数値となっている。
また、平均給与も、2022年5―7月は2693レアルで、2018年の同時期の2798レアルに比べて105レアル下がっている。2693レアルは2012年同期に記録した2685レアル以来の低額だ。
LCAコンスルトーレスのエコノミスト、コスモ・ドナト氏は、「2018年の選挙前は失業率こそ高かったが、連邦政府の歳出上限が議会で承認され、社会保障改革が前進して、租税改革の可能性が出てくるなど、次政権への期待感があった。だが、それが新型コロナのパンデミック到来などで思うように進まなかった」と分析している。他方、「今は短期的に見れば、パンデミックに伴う規制終了などの明るい要素がある」としている。