site.title

《ブラジル》メイレレスがルーラ支持表明=市場が好感して株高ドル安に=歳出上限法骨抜きには反対

2022年9月22日

19日の会合でのルーラ氏(右)とメイレレス氏(Ricardo Stuckert)
19日の会合でのルーラ氏(右)とメイレレス氏(Ricardo Stuckert)

 【既報関連】ルーラ元大統領(労働者党・PT)が19日に元大統領候補8人から支援の約束を得た事で、市場や企業家の間では今後に対する予見が可能になったという雰囲気が流れた。元大統領候補の一人のエンリケ・メイレレス氏がルーラ氏の方針を肯定した事も注目を集めたと20~21日付現地紙、サイトが報じた。
 メイレレス氏はルーラ政権で8年間も中銀総裁を務め、テメル政権では財相として歳出上限法の成立にも貢献した。政財界で広く知られる重鎮の一人で、同氏によるルーラ氏支援表明は、19日の為替がドル安に振れ、株式指数も上昇という肯定的な反応を呼び起こした。
 もちろん、統一選の投票日まで10日を残しており、メイレレス氏の閣僚入りなどは何も語られていない。メイレレス氏も「仮定での話はしない」としているが、ルーラ氏が当選し、一緒に仕事をと言ってくれば考えるとの姿勢も見せている。
 ルーラ氏支援表明後に受けたインタビューでは、ルーラ氏が税制改革を含む各種改革を行う意向である事や財政上の責任は大統領府に帰すべきと考えている事などは「正しい」と太鼓判を押し、細かい部分は今後の詰めが必要と語るなど、積極的に関与する可能性も垣間見せた。
 メイレレス氏がルーラ氏を正さねばと考えている点の一つは、歳出上限法を骨抜きにする点だ。歳出上限法はメイレレス氏が導入したもので、現在も健全財政を保つために不可欠と見ている。メイレレス氏はこの点について訊かれ、「ルーラ氏も修正が必要だ」と答えている。
 メイレレス氏が19日の集まりに参加したのは副候補のジェラルド・アルキミン氏が声をかけたからで、ルーラ氏はこの二人が市場や企業家との架け橋になる事を期待しているとの報道もある。
 元大統領候補8人がルーラ氏への支援を表明した主な理由は現政権への不満や批判だ。ルーラ氏がマリーナ・シルヴァ元環境相と関係を修復した後に横断的な環境政策や先住民居住区指定を拡大する可能性を示唆した際、ボルソナロ氏は「そんな事をすればブラジル経済は破綻する」と発言した。だが、国民や国際社会はルーラ氏やマリーナ氏の環境政策に期待しているようだ。


《ブラジル》ルーラがSBTテレビ討論会に欠席表明=ボルソナロはどう出る?前の記事 《ブラジル》ルーラがSBTテレビ討論会に欠席表明=ボルソナロはどう出る?《ブラジル》最高裁大法廷が銃規制緩和の大統領令差止め=判事投票2―9で大統領完敗=選挙の安全性を優先次の記事《ブラジル》最高裁大法廷が銃規制緩和の大統領令差止め=判事投票2―9で大統領完敗=選挙の安全性を優先
Loading...