《ブラジル》経済省が今年予算の凍結額を増額=基礎的収支は黒字計上へ=中央会計黒字は13年以来

経済省が22日、歳出上限法順守のために今年の予算をさらに26・35億レアル凍結する事などを盛り込んだ報告書を提出したと22、23日付現地紙、サイトが報じた。
年間の予算凍結額は3月時点で17・22億レとされていたが、5月には82・39億レに増額。予算凍結は秘密予算の範囲内で行われ、その後に69・65億レに減額されたが、7月には新たに67・39億レの凍結が行われ、凍結総額は127・37億レに増えた。
今回の報告書での凍結総額は105億レで、内78・65億レは秘密予算と議員割当金の凍結を継続するため、26・35億レが新たに凍結される。
今回の報告書に記載されている歳出予想額は、29・54億レ減の1兆8310億レとなっている。内1兆6780億レは人件費や社会保障費などの義務的支出で、7月の報告書より19・44億レ減額した。非義務的支出は10・1億レ減の1532・36億レとなっている。
歳出予想の減額はインフレ鎮静化などとも関係がある。経済省経済政策局は今年の国内総生産(GDP)の成長予想を2%から2・7%に引き上げ、インフレ予想率を7・2%から6・3%に引き下げたが、相次ぐ予算凍結で給食援助が減額された結果、一つの卵を生徒2人で分けざるをえない事態になるなどの問題も起きており、予算配分のあり方なども問題となりそうだ。
なお、中央会計(連邦政府、国立社会保障院、中央銀行)の基礎的収支は135・48億レの黒字となる見通しだ。前回報告書は595・34億レの赤字としていたが、歳出削減と歳入増で黒字見込みとなった。中央会計が黒字となるのは2013年以来だ。
連邦政府はインフレ抑制のため、燃料関連の税や工業製品税などの減免税を行って来たが、コロナ後の景気回復やペトロブラスなどからの配当増などで、歳入見込みは7月より821・97億レ増えた。燃料などへの商品流通サービス税(ICMS)引き下げに伴う税収減補填などで州や市に回す分を引いても699・48億レの増額となると見ている。
ただし、今回の報告書では予算凍結の詳細については触れていない。予算凍結が行われる部署や金額は今月中に出される大統領令で規定される事になる。