《街角ちょっと見》=貴重な水野龍の勲章や掛け軸

元連邦警察署長で日本移民史研究家の池田マリオさん(77歳、2世)が編集部を訪れ、〝移民の祖〟水野龍に関する貴重な所蔵品を見せてくれた。
所蔵品の中には、水野龍が1933年に受勲した勲六等単光旭日章の勲記と勲章の実物が。これはブラジル移民実現の功績に対して、天皇陛下名で授与された国家栄誉賞であり、皇室へ深い敬意を持っていた水野龍にとっては何よりも大事な品物であったに違いない。
水野龍は、ブラジル移民関係では生存者叙勲された第1号者。この時〝移民の父〟上塚周平も同時に同勲章を受勲している。
池田さんは他にも水野家が所蔵している歴代全天皇陛下の肖像版画の巻物や、馬に乗って仲間を従えた楠木正成らしき絵巻物、大正天皇即位装束画幅(竹園)などを見せてくれた。どれも水野龍の思想や哲学感を感じさせるものばかりだ。
これらはブラジル日本移民史料館に貸し出されていたが、池田さんがこの度回収し、改めて所有権者の水野龍三郎氏(水野龍の息子)に処遇をどうするか尋ねるという。どれも貴重なものだけに、皆が鑑賞できるような場所に保管してほしいものだ。(深)
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