統一選挙=連邦下議3人、州議3人当選=日系社会寄りは西森氏のみ=3氏には繰り上げ当選の望みも

2日に実施された統一選挙が即日開票され、全州の当選者名簿を確認したところ、日系人の連邦下議と州議合わせて6人が当選していたことが分かった。連邦下議選で当選したのは、現職のカタギリ・キム氏(サンパウロ州選出)と西森ルイス氏(パラナ州)、初当選のアイハラ・ペドロ氏(ミナス州)。州議会議員選ではサンパウロ州のナカシマ・マルシオ氏が現職当選し、リオ州のタキモト・エリカ氏、南大河州のハシオカ・ロベルト氏が初当選を果たした。
今回、サンパウロ州からの立候者は乱立状態で、当選者は2人のみだった。サンパウロ州からの日系人連邦下議候補は33人、州議候補は37人、上院議員候補は2人、副知事候補も1人いた。
先月24日に来社した野村アウレリオ市議は、「日系候補が乱立する中、戦略投票をしないと日系候補者同士が結果としてお互いの足を引っ張り合うことになり、日系社会と絆が強い候補全員が落選する」と訴えていたが、まさに予想された状態がおき、日系社会にとってはくやしい結果に終わった。
再選したカタギリ・キム氏(サンパウロ州、26歳、ウニオン)の得票数は29万5460票。サンパウロ州選出の連邦下議70人中8位という抜群の成績だった。サンパウロ州議選で再選したナカシマ・マルシオ氏(44歳、PDT)は8万5195票だった。
リオ州議選で当選したタキモト・エリカ氏(49歳、PT)は9万5263票。南大河州議選で当選したハシオカ・ロベルト氏は(65歳、ウニオン)1万3662票だ。
ミナス州のペドロ・アイハラ連邦下議候補(29歳、パトリオタ)は、8万9404票で当選した。アイハラ氏は同州消防隊に所属し、マリアナやブルマジーニョ鉱滓ダム決壊事故の際、広報責任者としてメディア対応したことで有名となった。
当選者はみな日系社会と強い絆を持っていない候補ばかりだ。
唯一当選した日系社会と関係が深い連邦下議は、西森ルイス氏(パラナ州、73歳、PSD)で7万3202票。連邦下議として4期目を迎えるベテラン政治家だ。
飯星ワルテル連邦下議候補(61歳、PSD)は5万5027票を獲得し、当選こそできなかったが補欠3位になった。
羽藤ジェオルジ氏(ブラジル民主運動、MDB、41歳)は5万355票でMDB補欠1位、コバシ・ラクエール(選挙名「デレガーダ・ラケウ」、自由党、PL)は同補欠2位だった。
もしもサンパウロ州知事にタルシジオ・フレイタス候補が当選を決めたら、前記3者はボルソナロ派に近い政党なので、党上位当選者が大臣や局長などに引き抜かれ、繰り上げ当選となる可能性が残されている。
連邦下議候補になっていた西本エリオ州議会議員候補(54歳、PSDE、1万415票)とオオタ・ケイコサンパウロ州連邦議会議員(66、MDB、1万6626票、補欠10位)は惜しくも落選した。