《ブラジル》PSDBが決選投票で分裂=3大州知事が全て大統領支持に=多くの党が支持選択自由

【既報関連】大統領選が決選投票となった事で経済・財政を含む政策論争への期待が高まる中、ミナス州のロメウ・ゼマ、リオ州のクラウジオ・カストロ両知事に続き、サンパウロ州のロドリゴ・ガルシア知事(民主社会党・PSDB)が4日に決選投票でボルソナロ氏支援を表明し、党内やサンパウロ州政府の分裂を招いたと4~5日付現地紙、サイトが報じた。
ガルシア氏は知事選でタルシジオ・デ・フレイタス氏、大統領選でボルソナロ氏を支援すると表明。3大票田の知事がボルソナロ氏支援する事になった。
知事の支持表明は、州民全体の投票動向とは直接の関係はない。だが、ガルシア氏はPSDBが党の方針を決める前に支援を表明し、党内に亀裂を生じさせた上、州政府の分裂も招いた。同氏は労働者党(PT)は支援できないと言うが、PSDBや州政府内は反PTばかりではない。
PSDBはガルシア氏の支援表明後、幹部会議で誰を支援するかは各党員に委ねる事を決めた。これを受け、タッソ・ジェレイサッチ上議やジョアン・ドリア元サンパウロ州知事、カルドーゾ(FHC)元大統領らはルーラ氏支援を表明。
ジョゼ・セーラ上議は大統領選ではルーラ氏、知事選ではタルシジオ氏を推し、シモーネ・テベテ氏(民主運動・MDB)の副候補だったマラ・ガブリッリ上議は白票を投じる意向だ。
また、サンパウロ州ではドリア氏が局長に任じたロドリゴ・マイア前下院議長らが知事のボルソナロ氏支援に反対し、辞任。退任間近の知事には痛手となった。
4日はシロ・ゴメス氏と同氏所属の民主労働党(PDT)、シダダニア、FHC政権のアルミニオ・フラガ中銀総裁らがルーラ氏支援を表明。5日はエルデル・バルバリョ・パラー州知事やテベテ氏らがそれに続いた。
テベテ氏を支援していたPSDBとMDBは各党員の判断に委ねると宣言。カサビ元サンパウロ市長の社会民主党(PSD)やルーラ氏やPTに反対だったノヴォもそれに続いた。
5日までにボルソナロ氏支援を表明した政党はキリスト教社会党(PSC)で、セルジオ・モロ元法相やイバネイス・ロシャ連邦直轄区知事、カルロス・ラチーニョ・ジュニオル・パラナ州知事、テメル前大統領らもボルソナロ氏支援を宣言。9政党は方針未定だ。
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ロドリゴ・ガルシア・サンパウロ州知事のボルソナロ氏支持表明で分裂状態の民主社会党(PSDB)。ガルシア氏はより保守色の強い民主党(DEM、現在のウニオン)出身のため、予想できる動きではあったが、軍政礼賛者を良しとはしないPSDBには耐えられなかったか。PSDBは4年前のサンパウロ州知事選でジョアン・ドリア氏「ボルソドリア」を主張したことが分裂のはじまりとなったが、それを繰り返してしまうとは。