ブラジルいけ花協会=「還暦の節目、気持ち新たに」=60周年記念生け花展を開催

ブラジルいけ花協会(外塚クリスチーナ会長)は9月16~18日、同協会創立60周年記念生け花展をサンパウロ市リベルダーデ区のブラジル日本文化福祉協会(文協)ビル文化スペースで開催した。展示会場には8つの生け花流派による伝統的な作品から前衛的な作品計78点が展示された。
16日の開会式には同協会関係者をはじめ、来賓の石川レナト文協会長、在サンパウロ総領事館桑名良輔総領事、国際協力機構(JICA)江口雅之所長ら約120人が参加。挨拶に立った外塚会長は「日本では60歳になった人を、還暦を迎えたと表現します。還暦には、一つの循環が巡り終え、新たな始まりが開始されるという意味があります。当協会もこの還暦の節目に、気持ちを新たにして、各生け花学校の活動強化などに力を注いで参りたいと思います」と語った。
開会式では、日伯両国歌斉唱の後、先亡者への黙とうが捧げられ、生け花教師と功労者への表彰、生け花の実演、会員による合唱が行われた。式典後には和風軽食が振舞われ、来場者は歓談しながら生け花鑑賞を楽しんだ。
関連コラム・街角ちょっと見=思索呼び起こす生け花の力

生け花展では、畑中みどりさん(小原流)の作品に目を奪われた。「アマゾン火災に対する訴え」をテーマにしたという畑中さんの作品は、壺ではなく、散りばめた木炭の上に真っ赤な花が生けられている。
「火災によりもたらされる破壊と、そこから生まれる新たな生命。生と死の二項対立を表現しました」という。
鑑賞しながら、「環境破壊は止められないものか」「終わりがあれば始まりがあるのか」など様々な思いを巡らさせられていることに気付き、「これが芸術の力、生け花の力か」と感心させられた。
画像スライダー (3枚)