《ブラジル》アラゴアス州=汚職捜査のエデマ作戦敢行=ダンタス知事に予防的解任
連邦警察と連邦検察庁が11日にアラゴアス州で、パウロ・ダンタス知事らによる公金横領などの疑惑解明のための「エデマ作戦」を敢行。捜査令状を出した高等裁のラウリタ・ヴァス判事は、ダンタス知事に180日間の予防的解任措置も命じたと同日付現地サイトが報じた。
アラゴアス州内の政治家による公金横領は2019年に始まり、2021年まで続いていたと見られており、捜査対象となっている州政府関係者らの資産や預金など5400万レアル相当と数十軒に上る不動産の差し押さえも行われた。
同件の捜査は秘密裏に行われているが、同件の報告官であるヴァス判事は、連邦検察庁が事件に関する情報の一部を開示する事を許可した。また、知事に対する予備的解任は明らかにされたが、関係者達のプライバシーは保護されている。ただし、関係者は互いの間で連絡を取り合う事や捜査対象となった州議会などに足繁く通う事などが禁止された。
検察庁によると、同件の容疑者達は犯罪組織形成や公金横領、マネーロンダリングの嫌疑がかけられているという。具体的な嫌疑の内容は、州議会の中で行われていた幽霊職員への給与のキックバック、いわゆるラシャジーニャだ。
ダンタス知事は州議会内での不正行為の中心的存在と目されており、嫌疑の内容や名前も公開された。
同知事は2018年の選挙で州議選に出馬し、当選を果たした。ラシャジーニャに手を染めたのは州議就任後だ。同州では知事と副知事が選挙法違反に問われて当選を取り消されたため、今年5月に間接選挙が行われ、ダンタス氏が知事に選ばれた。現在は再選に向けた知事選の最中だったが、今回の予備的解任で選挙の行方は不透明になった。
検察によると、ダンタス氏の妻やその兄弟(知事の義兄弟)で、マジョール・イジドロ市長のテオバルド・シントラ氏らも関与が疑われているという。
11日は30件以上の令状に基づく家宅捜査と証拠物件押収に加え、資産などの差し押さえ、公職解任といった措置がとられた。