選挙高裁=虚報拡散防止対策を強化=2時間以内の削除を命令=反論権問題で大統領控訴

【既報関連】今年の統一選は例年以上に二極化し、虚報の数は2018年の1671%増となっている。今回選挙では虚報拡散による選挙制度攻撃などは出馬資格取消や投票結果無効化などの原因ともなるが、虚報拡散が止まらず、選挙高裁が従来以上に厳しい基準採用を決めたと20、21日付現地紙、サイトが報じた。
虚報拡散には様々なプラットフォームが使われており、アレシャンドレ・デ・モラエス選挙高裁長官は19日にフェイスブック、インスタグラム、ワッツアップ、ツイッター、TikTok、Kwai、Linkendin、Google、ユーチューブの代表と虚報拡散防止について話し合った。会合には選挙高裁判事らとパウロ・ゴネット連邦検察庁副長官も参加した。
モラエス長官は一次投票前に行われた虚報の特定や防止、抑制の作業は想定以上の効果を挙げたとして協力に感謝したが、その後は虚報拡散が激化しており、より強固な対策が必要だと訴えた。
特に問題となっているのは大統領候補を攻撃する内容のものだ。この種の虚報は削除命令の対象となり、通常の批判の範囲を超える虚報の削除の迅速化などが話し合われた。
各プラットフォームによる虚報の特定や削除は2月から強化されていたが、この会合の結果を踏まえ、選挙高裁は20日、削除命令から2時間以内の虚報削除を義務付けた(選挙前日は1時間以内)。期限内に削除しなかった場合は1時間あたり最大15万レアルの罰金が科せられる。虚報削除は政党側の告発を受けた裁判所が命じており、複製でも再告発が必要だったが、複製の削除は再告発が不要となった。虚報掲載を繰り返すチャンネルは停止処分となり得る。
なお、19日に出た虚報への反論権承認後の大統領側の控訴を受け、マリア・クラウジア・ブキアネリ判事が20日夜、164回分の反論権を全体審理にかける事を決めた。
20日には、ベネジト・ゴンサルヴェス判事が18日に出した大統領次男でリオ市議のカルロス氏が中心となり、大統領支援のための虚報を流している件にする捜査開始判断を維持。大統領支持局のジョーヴェン・パンにはルーラ氏の反論放送も流す事が命じられた。