ペトロブラス、437億レの配当金発表=PT党首が批判発言で牽制
ペトロブラスは3日、株主に対し、総額437億レアルの配当金を支払うことを発表したが、これに対し、大統領選で当選を決めたルーラ氏の労働者党(PT)が強い難色を示している。3、4日付現地紙、サイトが報じている。
ペトロブラスはこの日、優先株または普通株1株あたり3・3489レアルの配当金を支払うと発表した。これは、大統領3四半期に461億レアルの収益を上げたことを受けたものだ。同社の株式は130億株で、当期の配当は総計437億レアルとなる。この配当金は12月20日と来年1月19日の2回にわたり、同額ずつ支払われる予定だ。
今回発表された配当金により、2022年の株主配当の総計は約1800億レアルとなる。この額は2021年に支払った配当金を77・5%上回る。
だが、この発表後、PTのグレイシ・ホフマン党首は、ペトロブラスによる配当金の支払いは「出血だ」と批判。「企業の身の丈にあっていない額を、ただ株主を喜ばせるためだけに払うことに私たちは賛同しない。ペトロブラスはブラジル国民のために尽くすべきだ」と語った。
この発言は、株主たちからは、ペトロブラスに対する牽制と捉えられている。ルーラ氏はかねてからペトロブラスの民営化に強く反対しており、次期政権でも同公社をコントロールしたいと考えている。
ボルソナロ政権は、ペトロブラスの価格政策による燃料代の高騰に苦しみ、同公社の民営化を進めたがっていた。またボルソナロ大統領は、ペトロブラスの収益を「稼ぎすぎ」と揶揄し続けていた。
その一方、国際価格と国内価格の差が開く中でも、決選投票までは価格調整を控えるようにも指示していた。