遺族ら約100人が祈り=スールミナスコチア青年慰霊祭=カンブイ市の種芋産業に貢献

南ミナス慰霊祭実行委員会(白浜清俊代表)は10月16日午前11時、ミナス・ジェライス州南部に入植し、これまでに亡くなったコチア青年移民のための慰霊祭を同州カンブイ市カルモ聖母カトリック教会で行った。慰霊祭には、遺族を始め、コチア青年連絡協議会の前田進会長やジャイル・セリオ・デ・ソウザ元同市長ら約100人が参加し、物故者80人へ慰霊の祈りを奉げた。
白浜代表らコチア青年は1964年に、スールミナスの標高1300~1400メートルの寒冷地で、ジャガイモの種芋生産を始め、地域一帯を種芋産地に変えた。
白浜代表によれば、カンブイ市郊外の山岳部には、平たんな土地が2万ヘクタールあり、農業機械での開発が行え、マンチケーラ山脈を挟んで反対側にあるカンポスドジョルドンは峻厳な峡谷があり、農地開発には適していなかったという。
現在は、種芋生産によって土地が痩せたことから、牧草、イチゴ、トウモロコシ、花のハウス栽培が主に行われている。日系人農家はいなくなり、代わりにミネイロ(ミナス州人)や、ガウーショ(南伯出身者)が日系農家から農業技術を学び、これらの作物を栽培しているという。
慰霊祭はエステボン・マウリシオ・アタナシオ神父が執り行った。

式典後、白浜代表の子供たちが経営するアグロマキナス社の庭園で親睦昼食会が開かれ、約50人が参加した。白浜代表は前田会長に「散る桜、残る桜も、散る桜」と良寛和尚(りょうかんおしょう)の辞世の句を詠って、酒を酌み交わし、旧交を温めていた。
白浜代表によれば物故者80人の内、種芋生産に従事していたコチア青年は、西政文、田原弘、井上輝美、温水実、黒木光義、岩田憲吉、田井幸男、長岡明夫、豊木知広、五島渡、笹前武夫、加文文善(かもん・あやよし)さんの12人。南米産業開発青年隊員は矢口篤男、長田清次郎さんの2人。東京農大生は大島政孝、吉泉(よしずみ)秀三(インダイアツーバ)さんの2人だったという。