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EU、森林破壊商品を輸入禁止に=輸出企業に検証情報の提出求める

2022年12月13日

EUが反伐採の法案を承認と報ずる6日付G1サイトの記事の一部(写真はロンドニア州リオ・パルドの牧場)
EUが反伐採の法案を承認と報ずる6日付G1サイトの記事の一部(写真はロンドニア州リオ・パルドの牧場)

 欧州連合(EU)が6日、森林破壊に関連する商品の購入を防止する事を目的とした新たな法案を承認したと6日付G1サイトなどが報じた。

森林伐採で開発された農牧用地(Alberto César Araújo/Amazônia Real)
森林伐採で開発された農牧用地(Alberto César Araújo/Amazônia Real)

 新法案は、EU諸国に商品を販売する場合はサプライチェーンが世界中の森林破壊に関与していない事を示す書類を提出するよう、各企業に要求するというもので、これを行わない場合は罰金が適用され得るという。
 ブラジルでこの法案の影響を受けるのは、森林伐採によって開発した農牧用地で生産した牛肉や大豆、木材、カフェなどで、派生品である皮革製品やチョコレート、家具、木炭、ゴム製品、パーム油なども含まれ得る。
 ブラジル以外でこの法案の対象となる国はインドネシア、コロンビアなどで、EU側はこれらの国と一緒になって、新たな基準を適用するのに必要な能力を拡大する取り組みを行う意向も表明しているが、対象国の中からは新しい決定は面倒で費用がかかるとの苦情が出ているという。また、一部のサプライチェーンは複数の国にまたがる可能性があるため、調達認証を監視する事は困難との見方も出ている。
 欧州議会主席交渉官のクリストフ・ハンセン氏は、「この規制が世界中の森林保護を促進し、他の国々にも刺激を与える事を願っている」と語っている。
 この法案はまだ、正式に承認される必要があり、20日以内に発効となる見込みだ。適応期間は大企業が18カ月、小規模企業は24カ月となっている。
 EU加盟国は、森林伐採リスクが高い国からの場合は輸出企業の9%、標準リスクの国からの場合は3%、低リスクの国からの場合は1%を対象にコンプライアンスチェックを行う必要がある。これを順守しないと、EU加盟国側の企業の売上の4%までの罰金が科される可能性がある。
 同法案により、各企業はいつ、どこで生産された商品かや、2020年以降に伐採された土地で栽培されたものではないという「検証可能な」情報を示す必要がある。
 森林破壊が深刻なブラジルでは一部の環境活動家らがこの法案を称賛したが、その一方で、この規則の対象は「その他の樹木が茂った土地」「密集し、閉鎖された森林ではない土地」まで拡大されておらず、十分な効果は得られないとの見解を述べている。
 この法案の対象外となっている例はセラードで、現在のままだとウクライナとほぼ同面積の60万平方キロが法案の対象外となる。非営利団体のセラードス研究所によると、ブラジルで最も成長している農業拡大の最前線はセラードだという。
 同研究所のユリ・サルモナ理事は、「生物の多様性がサバンナでは世界一の森林を破壊して生産・栽培した商品を消費する事が適切だと思っているのだろうか」との疑問を呈している。EUは、その他の樹木が茂っている土地を対象に加えるかの判断は1年以内、それ以外のエコシステムについては2年以内に判断するとの意向を表明している。
 ブラジルとヨーロッパのグループは、生産国が既に先住民族の権利を法的に保護している場合には彼らの権利を尊重している事を証明するようにとの要求も批判している。
 他方、ブラジル国内のコーヒー輸出業者協会であるCecafeは、世界的な環境問題を尊重しているとしつつ、持続可能な生産に向けた業界の努力や進歩が適切に認識されていない事への懸念を表明している。


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