連邦政府=国際諸機関との債務清算へ=ルーラ政権の外交重視政策で

国際的な存在感を高めることに重きを置くルーラ政権は、連邦政府が2014年から蓄積してきた国際機関への債務40億レアルを年内に清算することを約束したと12日付エスタード紙など(1)(2)(3)が報じた。
ブラジルは今年だけで約20億レを支払い済みで、残る20億レも年内に支払う意向だ。2021年12月27日付アレン・ド・ファトサイト(4)によると、ブラジルが国連などの国際機関に未払いだった債務はこの時点で88億レ。22年12月6日付カルタ・カピタルサイト(5)でも50億レとなっている。
前政権からの移行作業中に発表された国際機関に対する債務50億レは、移行担当者や現政権の経済スタッフにとり、早急に解決すべき項目の一つとなった。
国際機関への債務を放置すると国際的な信用や当該機関での投票権などを失い、国際社会での存在感を弱める。発言力を取り戻し、国連安保理の常任理事国入りをと願うルーラ大統領には大きな障壁となる。3月16日付CNNブラジル(6)でも、同大統領は国際機関との債務の内26億レを年内に支払う意向と報じられていた。
政府が払うべきものには国際機関への拠出金も含まれ、政権発足100日目の4月10日付政府公式サイトなど(7)(8)は、拠出金5・28億レを支払うと報じた。この時の支払先は、外交政策上の優先分野関連の国際原子力機関(IAEA)、メルコスル事務局及び議会、メルコスル構造収束基金(Focem)、ラテンアメリア統合連合(ALADI)、国際移住機関(IOM)、ポルトガル語圏諸国共同体(CPLP)、世界保健機関(WHO)、国際労働機関(ILO)、世界貿易機関(WTO)、化学兵器禁止機関(OPCW)、国際刑事裁判所(ICC)などだった。
企画予算省によれば、債務残高の20億レを払う資金は確保済みで、毎月の支払限度額という問題も予算編成会議(JEO)でクリアしたという。
同省国際問題開発局のレナタ・アマラル局長は「移行時に受け継いだ負債の完済と、23年の通常の拠出金支払いを行う」とし、「これで国外に出ても肩身の狭い思いをしなくて良くなり始めた」と語っている。2024年度の予算からは国際機関への拠出が義務化される。