ブラジル人救援機=第1弾がブラジリアに到着=近隣諸国もブラジルに協力要請

イスラエル在留のブラジル人救出作戦第1弾が実施され、ブラジル空軍(FAB)の航空機が10日午後2時12分(ブラジリア時間)にテルアビブを出発。約14時間後の11日午前4時8分頃、ブラジリアに着陸した。同機には211人が搭乗していた。ブラジル外交省によれば、15日までにさらに5便の空軍機を派遣する予定だと11日付G1サイトなど(1)(2)が報じている。
ブラジル政府は子供、高齢者、障害者、または疾患を持つ人に優先権を与えた。
ブラジル到着後は、政府が用意したアズール航空の国内便で最終目的地まで無料で輸送される。11日朝7時20分には、リオ行きの接続便が104人の乗客を乗せて離陸した。
救出輸送機の第2弾も既に、乗客214人と4匹のペットを乗せてテルアビブを離陸し、ブラジリア時間の12日未明にリオの空港に到着する予定。
ブラジル外交省は、ガザ地区には30人のブラジル人がおり、その内の16人が子供であるとの情報を把握し、彼らをどのように避難させるか検討・準備中で、エジプト当局の国境通過許可を待っていると明かした。(3)
マウロ・ヴィエイラ外相は、エジプトサメ・シュークリー外務大臣に電話をかけ、過激派武装勢力ハマスによって支配されているガザ地区のブラジル人を退避させるために、エジプトの支援を求めた。
同外相は「『退避計画A』はガザ地区唯一の非イスラエル国境であるエジプト経由でブラジル人グループを撤退させること」と説明している。ブラジル国旗で識別したバス2台の通過日時をエジプト政府に対して文書で通知しているが、エジプト政府は国境を厳格に管理しており、現在も安全上の懸念があるとして、まだ許可が得られていない。
一方で、ブラジル外務省は南米の近隣諸国であるチリとパラグアイから、自国民の救出への協力要請を受けていることを明かした。(4)正式な回答はしていないものの、ブラジル人保護に影響を及ぼさない範囲で両国政府を支援すると考えられている。
ルーラ大統領は10日、チリのボリッチ大統領と電話会談し、両国間の良好な関係やイスラエルとパレスチナの対立、市民らへの悲劇的な影響などを議論し、連携して取り組むことで考えが一致したと報じられている。