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サンパウロ州=陸軍で機関銃21丁紛失=装甲車貫く重機関銃も

2023年10月17日

陸軍の兵器庫から機関銃21丁が盗まれたと報じる13日付G1サイトの記事の一部
陸軍の兵器庫から機関銃21丁が盗まれたと報じる13日付G1サイトの記事の一部

 サンパウロ大都市圏バルエリの陸軍基地の兵器庫から機関銃21丁が盗まれたことが10日に発覚、15日には連邦直轄区の陸軍本部派遣の捜査員も現地入りしたが、重火器が犯罪者の手に渡り、甚大な被害をもたらす可能性や対応の遅さを懸念する声が出ている。
 13日付G1サイトなど(1)(2)(3)によると、陸軍が重火器紛失を認めたのは13日だが、紛失発覚は10日だ。紛失したのは、航空機も撃墜できる直径12・7ミリの「.50」と呼ばれる機関銃13丁と、7・62口径の機関銃8丁だ。前者は射程3キロで、1分間に600発を発射できる。同種の機関銃は高速道での現金輸送車襲撃や内陸部の銀行襲撃などにも使われている。
 陸軍南東司令部によると、紛失した重火器は「使用不能」で、機能しなくなってメインテナンスを受けることになっていたという。
 ソウ・ダ・パス研究所によると、2015年1月~2020年3月に盗まれたり横流しされたりした軍の火器は27丁で、1度に盗まれた数も2009年にサンパウロ州カサパヴァで起きた7・62口径銃7丁が最多だった。カサパヴァの事件では全て回収されたが、今回は、数、機関銃の破壊力共に過去の例を上回っている。
 同研究所のブルーノ・ランジェアニ氏は、「紛失した銃は防弾車襲撃などにも使われる全自動型銃で、兵器管理関係者が関与していた可能性がある。陸軍は警察力を借りて速やかに銃を回収し、責任者の特定・処罰を行う必要があるが、再発防止には管理方法の修正も不可欠だ」と指摘している。
 15日付G1サイト(4)によると、サンパウロ州のギリェルメ・デリテ保安局長は15日、対航空機型機関銃13丁が盗まれたことを嘆き、当局は市警や軍警を投じて捜索を支援しており、犯罪を助長し、国民の安全を脅かす壊滅的な結果を回避するためにあらゆる努力を惜しまないとSNSに投稿した。
 他方、バルエリ基地では基地関係者約480人を全員基地内に留め、内部調査中で、15日には陸軍本部からの一団も現地に着いたと16日付G1サイト(5)が報じた。
 なお、12日付G1サイト(6)によると、5日未明にリオ市で起きたサンパウロ州在住の整形外科医3人殺害事件後、警官約1千人を動員して始まった犯罪組織摘発の「マレー作戦」では、先週だけで機関銃60丁を押収。1月以降の押収数499丁は既に2022年の年間押収数の478丁を超え、全国の押収数の過半数を占める。同州では機関銃は製造されておらず、捜査はミナス州にも及んだ。押収数2位はサンパウロ州だ。押収数の増加は、供給数増加と捜査強化とで生じた結果だ。
 16日付アジェンシア・ブラジル(7)によると、フラヴィオ・ジノ法相は同日、リオ州で国家治安部隊、連邦警察、連邦道路警察の代表と会合を持ち、マレー作戦での役割分担などを話し合った。治安部隊からは300人が同作戦に参加する予定で、半数が週末に同州に入った。連警は諜報活動に加わる。
 同作戦では16日もリオ市内で銃撃戦が発生している。


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