連邦貯蓄銀行=ボルソナロが国旗に排便?=美術展が政治的偏向で中止

連邦貯蓄銀行(カイシャ・エコノミカ)は23日、ブラジリアのカイシャ文化センターで開催していた美術展「O Grito!(叫び)」の中止を発表した。展示作品の一部の「Bandeiras(国旗)」というコレクションの中にブラジル国旗に排便するボルソナロ前大統領(自由党・PL)を描いた作品が含まれていたことが、政治的・党派的な偏りを示しており、プログラムのガイドラインに違反すると指摘された。24日付テラ・サイトなど(1)(2)(3)が報じている。

同美術展はブラジル独立200周年を記念したもので、ブラジリアのカイシャ文化センターに国の現実を表現した7人のブラジル人アーティストの作品30点を展示。開催期間は10月17日〜12月17日の予定だった。
カイシャによれば、この展示は同行施設を文化的活動に利用するための全132の公開選考プログラムの一環で、公共プロジェクトの手続きに基づいて選ばれたという。連邦政府やカイシャなどがスポンサーとなっている展示に含まれ、問題視されたのは、マリーリア・スカラベッロ氏の作品だ。彼女は2016年から、ブラジル国旗に関する様々なアート作品を製作してきた。
同氏の作品には、ボルソナロ氏を侮辱した作品の他、緑と黄色のゴミ箱の中に入れられた、アルトゥール・リラ下院議長(進歩党・PP)、パウロ・ゲデス前財相、ダマレス・アウヴェス前人権相(現上議、共和者・RP)のモンタージュが含まれている。また、22年選挙におけるボルソナロ前大統領とその同盟者の選挙キャンペーンについても暗示されている。
同行によれば、この作品が政治的・党派的な意図を示し、プログラムのガイドラインに違反していると判断し、展覧会の中止を決めたという。また、「内部組織が責任の所在を調査する」と同行は声明で述べた。
同件は政治家たちの間で反響を呼び起こした。ビア・キシス下議(自由党・PL)は自身のXで、この展示は「政治的イデオロギー的な要素を含んでいるだけではなく、ブラジル国旗を恥ずべき状況で表示した」と非難し、連邦政府やカイシャがこの展示会のスポンサーとなっていることに関する説明を求めるため、ハダジ財相を召喚するよう要請した。
また、リラ下院議長と同じ党所属のアンドレ・フフカ・スポーツ相も、「信じられない。自身の行動に責任を負うべきだ」だと、責任者を批判するコメントを出した。
ジュリア・ザナッタ下議(自由党・PL)も自身のXで、連邦政府は「公共の資金に対し、恥知らずで敬意がない」と主張し、同美術展への投資についての調査を求めて連邦会計検査院(TCU)に提訴する意向を表明している。