グレイシ=PT党首継続の意向=ルーラは大臣望むも=決まらない次期法相

労働者党(PT)党首のグレイシ・ホフマン下議が、噂された法相などの大臣職の可能性を捨て、少なくとも来年の統一地方選までは党首の座に留まる意向を示したと、7日付グローボ紙(1)やフォーリャ紙(2)などが報じている。
グレイシ氏は7日、ルーラ大統領に呼ばれて、リオ市に赴いた。ルーラ氏はメルコスルの首脳会議のためにリオ市に滞在中で、宿泊しているホテルにグレイシ氏を招いたが、PT関係者は事前に、これが今後の人事に関係あることだと察知していた。
ルーラ氏との会談後、グレイシ氏は側近に対し、「私は党首であり続ける」と語ったという。
この会合前から、グレイシ氏には連邦政府入閣の噂が立っていた。候補に挙がっていた役職は、法相、大統領府総務室長官、社会開発相の三つだった。とりわけ、ルーラ氏は最高裁判事に指名したフラヴィオ・ジノ氏の後任として、史上初の女性法相をとの意向も見せており、シモーネ・テベテ企画予算相と共にグレイシ氏の名前が候補に挙げられていた。
だが、グレイシ氏はルーラ氏に対し、自分は法学を専攻したが、法相に値するだけの司法界でのキャリアがないことをルーラ氏に伝えたようだという。
2011〜14年にジウマ政権で官房長官を務めていたグレイシ氏は元々、第3期ルーラ政権で連邦政府入りしたいとの気持ちを持っていた。だが、昨年の大統領選後の政権移行期間中にルーラ氏から、「次の党首選が行われる2025年までは党をまとめて欲しい」と頼まれていた。その際は落胆したグレイシ氏だったが、今回の会談では、閣僚となるよりも党首の方が貢献できると判断。少なくとも来年の地方選までは党首を務める意向を周囲に示した。
だが、グレイシ氏を含む党関係者は、来年の第1四半期に行われる政局調整でグレイシ氏の名前が浮上する可能性を否定していない。この場合に可能性があるのは大統領府総務室長官だ。内輪では、グレイシ氏の政局調整能力は現大統領府総務室長官のマルシオ・マセド氏よりも高いと見られているという。現在はジノ氏の後任指名が必要とされているが、中道勢力セントロンが閣僚再編成に向けた圧力をかけており、統一地方選への調整や重要政策審議に向けた政局調整役が必要となるともみられている。
なお、次期法相の指名はルーラ氏が法務省を法務部門と治安部門に分割するか否かに左右される。
ルーラ大統領は側近らに、現在の法務省を法務部門と公安部門の二つに分割する意向を示したが、側近たちはそれが実現する可能性は高くないと見ている。
分割されない場合の法相候補には、75歳の定年の1カ月前の今年4月まで最高裁判事を務めたリカルド・レヴァンドウスキー氏や、大統領府法務局長のウェリントン・リマ氏の名前が有力視されている。
法務省分割案は、シモーネ・テベテ氏が公安部門に興味を示していることにも関係があるとされているが、7日付ポデール360(3)によると、テベテ氏自身は同日、「法相に関して、個人的な打診などは何も受けていない」と語っている。