site.title

JICA新入職員がブラジル研修=海外投融資担当ロハンさん

2023年12月20日

マハムド・ロハンさん
マハムド・ロハンさん

 国際協力機構(JICA)の新入職員海外研修で、マハムド・ロハンさん(23歳、千葉県)が10月2日から12月26日まで、JICAブラジリア出張所とサンパウロ事務所を中心に研修を行っている。6日、編集部を訪れ、研修の様子を語った。
 JICAでは、新入職員を入構初年度に開発途上国に数か月配属し、JICA事業やプロジェクトの現場などで、ステークホルダー(相手国政府、専門家、ボランティア、コンサルタント、国際機関、NGO、民間企業等)と協働する経験や、途上国の人々の生活や考え方に直接触れる機会を持たせる。海外OJT(On-the-Job Training)とも呼ばれている。
 ロハンさんは民間連携事業部監理課に所属し、海外投融資のスキームを担当している。JICAで海外投融資の案件が最も多いのがベトナムとブラジルであり、ロハンさんは自身の専門をより深く学ぶことができると考え、ブラジルを研修先に希望した。
 ロハンさんは、日本に留学して働いていたバングラディッシュ人の父親と、結婚して来日したバングラディッシュ人の母親のもと、千葉県で生まれた。国籍は日本。中学卒業まで日本の公立学校で学び、高校はマレーシアのインターナショナルスクールに通った。大学では同国のサンウェイ大学で経営学を学び、ダブルディグリー制度(提携した海外の大学で学位を同時に取得できる制度)を利用して、イギリスのランカスター大学の経営学学位も取得した。ベンガル語と日本語、英語を流暢に扱う。
 大学3年生の頃、周囲にいた日本人たちがオンラインで就職活動しているのを見て、日本での就職を考えるようになった。
 ロハンさんは、幼稚園、中学校、大学のそれぞれの一時期をバングラディッシュで過ごした。その頃にJICAが同国で行っていた支援活動を見ていたことでJICAに関心を持ち、就職試験を受けて内定を得た。
 今回の研修では、最初にブラジリアに約2週間滞在し、政府機関を回った。その後、サルバドールやポルト・アレグレ、レシフェに出張。サンパウロ市に移ってからは日系社会支援やボランティア事業の現場を回っている。
 「大きな日系社会があるとは聞いていましたが、ここまで大きなコミュニティを形成しているとは思わず、とても驚きました」と述べるロハンさん。サンパウロ市の日系コミュニティや移民史料館を訪れて得た体験は、日系人の歴史や日系人が今の生活を立ち上げるまでの軌跡を理解するのに非常に役立ったという。
 ロハンさんは今後について「先ずは海外移住事業を継承したJICAの海外投融資の現場で貢献していきたい。その後は、一つのスキームや地域にこだわらず、全世界に触れてみたいです」と将来への思いを語った。


忘年会に元研修生ら100人参加=AOTSブラジル同窓会前の記事 忘年会に元研修生ら100人参加=AOTSブラジル同窓会話題の日本映画2本上映中=『ゴジラ-1・0』と『怪物』次の記事話題の日本映画2本上映中=『ゴジラ-1・0』と『怪物』
Loading...