南東部2州で大水害=死者27人に行方不明者も

21日以降、寒冷前線に伴う豪雨に見舞われたリオ州とエスピリトサント州では、25日朝までに27人の死者が出たと25日付G1サイト(1)が報じた。
最初に豪雨が襲ったのはリオ州で、21日付G1サイト(2)によると、リオ大都市圏では21日18時過ぎから強風を伴う雨を記録。リオ市のパエス市長は21日、同日夜から24日には1時間に40ミリ、24時間で200ミリを超える雨が予想され、月間平均雨量の124ミリを超えるから警戒を怠らないようにと呼び掛けた。
また、地域によっては21~24日の雨量が300~500ミリに達するとの予報も出て、カストロ知事が21日に22日を任意休日とすると発表(21日付G1サイト(3)参照)。22日付アジェンシア・ブラジル(4)によると、リオ市長も22日朝、同様の措置を採った。
22日付G1サイトなど(5)(6)(7)によると、同州最初の死者は22日朝、ラゴス地方アライアル・ド・カボ市の海岸で落雷に遭った19歳青年で、バイシャーダ・フルミネンセのドゥッケ・デ・カシアス市ではトラックごと川に落ちた55歳男性が溺死した。
だが、死者の大半は山間部で出た。山間部の雨は22日午後の時点で同地方への幹線道が通行止めとなるほどで、24時間で307・6ミリの雨を見たペトロポリスでは土砂崩れに伴う家屋倒壊で一家4人(9歳男児と24歳と25歳の両親、66歳祖母)が死亡。9歳男児の妹で、父親が身を挺して助け、体温低下も防いだ4歳女児は15時間後に救出された。ペトロポリスでの雨は23日現在で340ミリを超え、238カ所で土砂崩れが起きた。テレゾポリスも24時間の雨量が260ミリに達し、家屋倒壊で8歳児と14歳の少年が死亡した。
25日付G1サイト(8)によれば、消防は258件の出動要請を受け、約160人を救助した。同日朝の時点では約600人が親戚宅などに退避しているという。
エスピリトサント州でも22日から雨が降り、23日付アジェンシア・ブラジル(9)によれば、23日11時現在で1205人が避難とされたが、同時点では死傷者の報告はなかった。
だが、同日午後からはミモゾ・ド・スル市で2階部分まで水に浸かるほどの大洪水が発生で死者4人、行方不明7人と報じられた他、同市では1千人、グアスイー市でも200人が一時退避など、州南部13市が非常事態に陥った。24日には州政府も非常事態を宣言した(24日付アジェンシア・ブラジル(10)参照)。
同時点での雨はボン・ジェズス・ド・ノルテ302ミリ、ミモゾ・ド・スル231・8ミリとされたが、その後も状況は悪化。25日付G1サイトなど(11)(12)によると、25日朝現在の死者はミモゾ・ド・スル17人、アピアカー2人の計19人、行方不明6人となった。ミモゾでは高齢者や薬物依存症者、障がい者ら約100人が住む社会福祉機関9施設中、市中央部の5施設と本部が天井まで届く浸水被害を受けた。消防は24日朝、高齢者5人を空から救出したが、社会福祉用住宅にいた18~55歳の5人は死亡した。
グアスイーなどの南部13市では、親戚や知人宅に一時退避中の人が25日朝現在で7287人、公共の避難所に身を寄せている人も411人いるという。
23日付アジェンシア・ブラジル(13)によると、連邦政府は23日、22~24日の豪雨による非常事態宣言市にボルサ・ファミリア(生活扶助)の前倒し支給要請などを認めた他、緊急対応用の医療キットの送付や国家防災局のスタッフ派遣も決めている。