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CNJ本会議=逆転判決で2判事停職解除=バローゾ長官票が均衡破る=サロモン判事の偏りに不満

2024年4月18日

バローゾ判事(Antonio Cruz/Agencia Brasil)
バローゾ判事(Antonio Cruz/Agencia Brasil)

 【既報関連】16日に行われた全国法務審議会(CNJ)本会議での投票で、前日に停職処分を受けていた元ラヴァ・ジャット作戦(LJ)担当判事のガブリエラ・ハルト氏が、最高裁長官でもあるルイス・ロベルト・バローゾ長官の票により、停職を解かれた。同日付コンスルトール・ジュリジコ・サイト(1)が報じている。
 ハルト氏は15日に、CNJのルイス・フェリペ・サロモン判事の単独判断によって停職処分を課された。それは、LJを管轄していたパラナ州連邦地裁第13法廷と2審担当の第4連邦地域裁(TRF4)第8法廷の訴訟進行の状況を、サロモン判事が昨年調べたところ、巨額の不透明な金の流れがあったと判断したためだ。
 ハルト判事の場合は、2019年初頭に結ばれたパラナ州検察局とペトロブラスの間の司法取引、特に、米司法当局に25億レアルの罰金を払い、それを「LJファンド」にしようとしていたことなどが問題視された。
 だが、サロモン判事の決定には方々から批判の声が上がっていた。それは、この停職処分を全体審理にかけずに同判事が一方的に決めてしまったことにある。
 また、サロモン判事が二つの裁判所での捜査を始めるきっかけとなった、2023年5月に停職処分を受けた当時のLJ担当判事のエドゥアルド・アッピオ氏が、LJ元判事のセルジオ・モロ判事の共同経営者に威嚇行為を行った嫌疑に対しては何の処分も行わず、モロ氏やその後継者のハルト氏にのみ不利な判断を下したことにも不満の声が上がっていた。
 そうしたことから、この日の停職処分に関する投票も割れた。バローゾ長官が票を投じる前の票は7対7で、処分の行方はバローゾ長官にかかっていた。同長官は自身の投票で「訴訟進行を審査するためにわざわざ停職処分にするのは不必要であり、既に裁量が入れられた判断だ」とし、停職反対に投票。これで8対7となり、ハルト氏は停職を免れた。
 また、同じく停職処分を受けていた現在のLJ担当判事のダニーロ・ペレイラ・ジュニオル氏の停職も解かれた。だが、TRF4のカルロス・エドゥアルド・トンプソン・フローレス判事とロラッシ・フローレス・デ・リマ判事の停職は、判事投票6対9で維持された。
 この両判事はTRF4がアッピオ判事を停職にした際、同判事が抱えていた訴訟への対処に関し、最高裁の命令を無視したことが問題視されていた。ジアス・トフォリ最高裁判事は当時、アッピオ判事の抱えていた訴訟でのオデブレヒト社があげた証拠などを無効にするよう命令を出していた。
 この日はハルト氏とモロ氏の訴訟進行に関する審理を進めるかいなかの投票も行われる予定だったが、延期となった。同件の審理がいつ行われるかは明らかになっていない。
 16日に報じられた、CNJによる昨年の捜査の報告によると、ペトロブラスの罰金25億レアルを米国当局に送る手続きを行ったのは、モロ氏、ハルト氏、パラナ州連邦検察局LJ主任だったデルタン・ダラグノル氏だったという。


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