site.title

ブラジル・中国間でウクライナ和平交渉=両国関係は「外交優先事項」

2024年5月25日

セルソ・アモリン大統領付外交問題特別顧問(左)と中国の王毅外相(右)(23日付カルタ・カピタル・サイトの記事の一部)
セルソ・アモリン大統領付外交問題特別顧問(左)と中国の王毅外相(右)(23日付カルタ・カピタル・サイトの記事の一部)

 セルソ・アモリン大統領付外交問題特別顧問が23日、中国を訪問して王毅外相と会談し、ロシアとウクライナ間の戦争解決に関する合意交渉を行い、和平が達成できるよう政治交渉を提唱し、国際社会にも支援を求めたと、同日付CNNブラジルなど(1)(2)が報じている。
 この動きは、ロシアとウクライナの間の戦争が継続する中での外交関係における重要な節目といえる。ブラジル政府は、中国はロシアに影響を与えるだけの重みを持つ、唯一の世界的大国と認識している。
 ブラジル政府と中国政府は紛争を緩和するためには、対話と交渉が唯一の解決策だという考えで一致している。昨年12月、アモリン顧問は国家安全保障顧問会議に宛てた書簡で、ロシアとウクライナが和平を求めて交渉に参加する意思があることが外交努力成功の基本であると述べた。
 中国外務省は、アモリン氏と王毅氏との会談後の合意事項を公表した。文書には、「全ての関係者は、直接対話を再開するための条件を整え、包括的な停戦が実現するまで事態の緩和を促進するべきである」と書かれている。
 中国外務省の声明によると、王毅外相は、自国は常にブラジルを外交上の優先事項の一つに位置づけており、中国政府はブラジルの国際的地位と影響力を認識していると述べた。23日付テラ・サイト(3)によると、王氏は、中国はブラジルとの戦略的協力を強化し、両国関係の地位を向上させたいとも述べている。
 これは、スイスで6月に開催予定の国際平和会議に向けての反応と見られる。同会議にはウクライナは出席するが、ロシアは参加しない予定だ。
 ブラジル政府は同会議に招待されたが、ロシアやウクライナの関係が平等ではないことを考慮し、現地のブラジル大使のみの参加とした。
 アモリン氏と王氏は、関連地域での人道支援を強化し、大規模な人道危機を防ぐために力を合わせる必要があるとの認識で一致した。
 「民間人や民間施設への攻撃は避けなければならず、女性や子ども、捕虜を含む民間人を保護しなければならない。両当事者は、紛争関係国間の捕虜交換を支持する」と声明は付け加えた。
 ブラジルと中国は、大量破壊兵器、特に核兵器、化学兵器、生物兵器の使用と、原子力発電所やその他の平和的核施設への攻撃を拒否する。また、核拡散を防ぎ、核危機を回避するためにあらゆる努力を払わなければならないとしている。
 両国はまた、全ての当事者が原子力安全条約を含む国際法を遵守し、人為的な原子力事故を断固として防止しなければならないと説く。
 ブラジルと中国にとって、世界を孤立した政治・経済グループに分割することは避けるべきとの意見で一致している。
 ブラジルと中国は、エネルギー、通貨、金融、貿易、食糧安全保障、石油・ガスパイプライン、海底光ケーブル、電力・電気施設、光ファイバー網などの重要インフラの安全保障における国際協力を強化し、グローバルな産業・サプライチェーンの安定を守るための新たな努力を求める」との合意事項が文書に記されている。


確定申告の期限迫る=31日23時59分まで前の記事 確定申告の期限迫る=31日23時59分までリオ州選挙裁判=カストロ知事、罷免免れる=判事投票4対3で薄氷も=原告は選挙高裁に上告の構え次の記事リオ州選挙裁判=カストロ知事、罷免免れる=判事投票4対3で薄氷も=原告は選挙高裁に上告の構え
Loading...