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イエスの行進=福音派のボルソナロ支持目立つ=ルーラは欠席、タルシジオ喝采=ヌーネスはサンパウロ市長選アピール

2024年6月1日

イエスの行進に参加したヌーネス市長(Paulo Pinto/Agencia Brasil)
イエスの行進に参加したヌーネス市長(Paulo Pinto/Agencia Brasil)

 5月30日、サンパウロ市で福音派の大型イベント「イエスの行進」が行われ、タルシジオ・デ・フレイタス・サンパウロ州知事(共和者・RP)やリカルド・ヌーネス・サンパウロ市市長(民主運動・MDB)らも参加した。参加者の中ではボルソナロ前大統領の支持が依然強い様子が窺えた。また、ヌーネス氏のサンパウロ市市長選に向けたアピールも見られた。同日付フォーリャ紙(1)などが報じている。
 「イエスの行進」は新ペンテコステ派のレナセル・エン・クリスト使徒教会の創設者エステヴァン・エルナンデス氏が1993年に始めて以来、毎年行われているイベントで、サンパウロ市セントロのルス駅から北部カンポ・デ・マルテ空港近くの英雄広場までを行進する。参加者数の公式発表はなされていないが、毎年数万人が参加している。カトリックに対して、新教プロテスタントの中でも中心的存在が福音派で、もっと突き詰めた宗教的体験を重視するのがペンテコステ派と言われる。
 今年は政治家の参加が目立った。一人はヌーネス・サンパウロ市市長で、イベントの最初から最後まで参加。同市長は終始、メインの山車の上でエルナンデス氏の真横に居続けた。タルシジオ知事も、15時30分過ぎに行進に駆けつけた。
 イベントの最中には、政治家に対する福音派信徒たちの政治的な心情が表れる瞬間があった。その一つは、エルナンデス氏が「ルーラ大統領からメッセージを受け取っている」とし、連邦政府代表として駆けつけたジョルジェ・メシアス連邦総弁護庁(AGU)長官を台上で紹介した場面だ。この時の反応はいまひとつで、メシアス氏はルーラ氏の手紙は持参しただけで、それを読み上げることも演説を行うこともなかった。それは、昨年、同様の状況下でルーラ氏からの手紙を読み上げた連邦政府代表が一部でヤジを受けたためだ。
 ルーラ大統領はこのイベントに参加したことがない。エルナンデス氏はフォーリャ紙に対し、「このようにメッセージを送ってくれるのは喜ばしいこと」「2009年には行進を国家公認行事に登録してくれた」と大統領に対して好意的な捉え方を示している。だが、「大統領がイエスの行進に参加しても、あまり良い反応は得られないだろう」との見方も示した。
 エルナンデス氏自身は2022年の大統領選の際、ボルソナロ大統領支持を宣言。キャンペーンの場にも同席したことがある。エルナンデス氏は今年、ボルソナロ氏が5月に入院をしたことに触れながら、体調を崩しての欠席と壇上から伝えたが、同氏が「ボルソナロ氏は皆さんへの愛を伝えている」と語ると、そこで歓声が上がった。前大統領は任期初年度の2019年と最終年の22年に参加。このイベントに参加した唯一の大統領となっている。
 また、ボルソナロ氏の後継者と目されるタルシジオ氏が紹介されると、場内からは喝采が起きた。タルシジオ氏は聖書の話を引用し、「私たち指導者は無力だと感じ、迷っているから、杖を上げ、海の上に伸ばして欲しい。そうすれば、海が分かれ、通れるようになるだろう。神が憐れみにより、私たちを選んでくれたのだから」と語りかけた(2)
 ヌーネス市長も壇上に上がり、「私はイエスを愛している」と語り、参加者に自身の信仰心の厚さをアピールした。サンパウロ市市長選での対抗馬となるギリェルメ・ボウロス氏(社会主義自由党・PSOL)やタバタ・アマラル氏(ブラジル社会党・PSB)はこのイベントには参加していなかった。
 この日は、ダッタフォーリャの世論調査で、サンパウロ市でのルーラ氏の支持が35%に落ち、タルシジオ知事の支持率が36%にあがったという発表も行われた(3)


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