米国=ブラジルへの外国投資額でトップ=貿易額は約750億米ドルで2位

ブラジル貿易投資振興庁(ApexBrasil)と在ブラジル米国商工会議所(Amcham)が共同で作成したブラジルと米国の経済関係の報告書によると、両国間の貿易額は約750億米ドル、米国からの直接投資額はブラジル向けの外国投資額全体の約1/3にあたる2288億米ドルに達している。これにより、米国はブラジルにとって第2位の貿易相手国、かつ、最大の直接投資国となっている。18日付フォーリャ紙(1)が報じた。
このデータは「ブラジル・米国二国間貿易・投資マップ」の第3版に記載されているもので、18日に開催された両国関係200周年記念イベントでも発表された。
米国はApexBrasilと最も多くのプロジェクトを進めている国で、食品・飲料・アグリビジネス、住宅・建設、創造経済(芸術やメディアなどの創造性を基盤とする産業)、機械・設備、ファッション、健康、ITなどの分野をカバーしている。
同庁のジョルジ・ヴィアナ会長は、「最大の貿易相手国は中国だが、付加価値の高い製品を多く輸出しているという点で、米国には優位性がある」と説明する。
同氏はまた、ボルソナロ前政権(自由党・PL)の過ちにより、ブラジルがグローバルな舞台でのチャンスを失ったと分析しており、米国が中国産品への依存度を減らす政策を確立したにもかかわらず、ブラジルはその機会を活かせなかったと指摘する。「この動きに乗ったメキシコは中国からの輸入を補ったが、ブラジルは取り残された」と述べた。今日では、米国の全輸入額の内、中国が占める割合は1割程度だ。
しかし、Amchamのアブラン・ネト会長によれば、この状況は昨年から変わり始めたという。「ブラジルは様々な製造分野への輸出と投資の誘致を開始した。特に、再生可能なクリーンエネルギー技術で米国の注目を集めるようになった」という。米国の現地生産政策が、グランビオやWEGといったブラジル企業から同分野への投資を呼び込んだと説明した。
ブラジルの対外累積投資額は約1兆米ドルで、この内、23%にあたる2280億米ドルが米国からのものだ。ただし、ヴィアナ氏は、米国との関係を重視する一方、中国、メルコスル、欧州連合(EU)との関係を軽視することなく、国際関係でのバランスと多様性を維持する重要性を強調した。
ルーラ政権(労働者党・PT)の新産業化政策と、グリーン水素のようなグリーンエネルギーへのエネルギー転換におけるブラジルの可能性は、米国に新たな投資機会をもたらす。ネト氏は、「リチウムのような重要な鉱物には既に、米国からの投資がある。米国企業はブラジルの再生可能エネルギー企業の株式を保有している。この市場はさらに開拓される傾向にある」と強調した。
同報告書では、食品分野のブラジル企業が米国での存在感を高めており、米国で消費されている動物性タンパク質の約35%、オレンジジュースの75%がブラジル産であることも明らかにしている。