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ショッピングで自動車販売好調=中国メーカーが新戦略で躍進

2024年6月27日

GMW販売店(GWM Brasil公式インスタグラム)
GMW販売店(GWM Brasil公式インスタグラム)

 中国自動車メーカーは、ブラジル市場で知名度を高めるため、欧州メーカーと異なる新戦略を打ち出している。特に比亜迪汽車(BYD)と長城汽車(GWM)はショッピングセンター内で店舗展開を積極的に進め、消費者と直接接触する機会を増やして販売成績を着実に伸ばしていると24日付エスタード紙(1)が報じた。
 電気自動車に焦点を当てるBYDやGWMは、現在ブラジル市場の5・5%を占めている。ブラジルではショッピング出店時には、通路に特設の展示ブースを構えるスタイルが一般的だが、彼らは従来の店舗形態を採用している。
 GWMのアレクサンドレ・オリヴェイラ営業開発部長は、「顧客が集まる場所にいることが肝心だ。我々は先進技術を持ってブラジル市場に進出したが、まだ広く知られていない。まずはブランド知名度を高めることに焦点を当てている」と説明する。
 GWMは現在、プラグインハイブリッド車(燃焼式エンジンと電気モーターの両方を搭載し、コンセントから充電が可能な車両)に焦点を当てており、約1年前に初めてブラジルのショッピングに出店し、現在は全国23店舗を展開。その他47路面店を運営する。一方、100%電気自動車を主力商品とする競合のBYDは、ショッピング内に6常設店舗と19仮設店舗、78路面店を構えている。
 GWMでは当初、ショッピング内の展示スペースや通路でのプロモーションを実施したが、効果はそれほど高くなかった。かつて同社は10の仮設店舗を持っていたが、現在は3店舗に減少し、それも閉鎖されることになっている。
 オリヴェイラ氏は「通路に展示された車両はショッピング全体の流れに干渉する。そこには車に興味がある人もない人もいるが、店舗に足を運ぶ人は製品に興味を持っている。これはビジネスにとってより質の高い客層だ」と付け加えた。
 ショッピング内だが試乗や中古車査定のサービスなども提供されている。GWMは今後も戦略的にショッピングでの店舗展開を推進していく予定だという。
 同氏によれば、展示ブースでの結果が期待外れであったのに対し、ショッピング内の常設店舗での販売は好調であり、月平均で30台を売り上げている。路面店ではこの数字は30%高いものの、同店舗形態はより高コストだという。
 路面店のコストはショッピングモール内の店舗よりも70%高く、店舗完成までに120日かかる。だがショッピング内では60日で完成し、顧客流入と販売面で驚くほどの効果があったという。
 ただし、自動車市場に特化したコンサルティング会社「ブライト」のカッシオ・パグリアリーニ氏は、ショッピング内の店舗が販売経路として大きな可能性を秘めているとは見ていない。「これは広告投資だ。もし本当に売上が良好であれば、全自動車メーカーがこの種の店舗を展開しているはずだ。だがBYDやGWMのような新参入企業であれば、正しい取り組みだといえる」と述べた。
 GWMとBYDは現在、ブラジル市場においてそれぞれ13位と10位の販売量を誇る。5月までの累計ではGWMが9989台(全体の1・5%)、BYDが2万7132台(全体の4%)を販売。去年の同じ期間では、GWMの販売台数は1193台(全体の0・20%)、BYDは1228台(全体の0・21%)だった。


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