中央銀行=GDP予測を上方修正=1・9%から2・3%に

中央銀行が6月27日、第2四半期のインフレに関する報告書を発表し、今年の国内総生産(GDP)の成長予測を1・9%から2・3%に引き上げたと同日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
同行によると、第1四半期のGDPは0・8%成長した。中銀はこのペースを「堅調で予想を上回った」と評価。リオ・グランデ・ド・スル(RS)州での大水害が経済活動に与える影響も、予想よりも小さくなると見ているという。
報告書によると、国内のシナリオでは経済活動と雇用市場が好調で、それが失業率の低下や賃金の上昇に寄与したという。また、RS州の経済活動は大水害で大幅に低下したが、既に回復の兆しが見られるとしている。
他方、外部のシナリオは依然として厳しく、新興国に対しては警戒が必要としている。また、米国の金融緩和政策やいくつかの国でインフレが持続的に低下する速度についても、不確実性が高いと指摘している。
インフレに関しては、広範囲消費者物価指数(IPCA)で測定したインフレは4%に止まるとの見通しを表明。以前の予想では3・5%だった。
また、5月までの12カ月間のIPCAは3・9%で、2月までの4・5%を下回ったが、アンカーリングが解除されるとの期待が高まったとしている。
一方、最後の四半期のインフレ率低下は前回のレポートでの予測以下で、食品価格の上昇が目立ったという。国内外のシナリオの不確実性が高まる中、6月24日発表のフォーカス調査では2025年と26年のIPCA予測が3・5%から3・8%と3・6%に上昇したことにも言及している。
第2四半期のインフレが上昇したことについては、今後は下降軌道に戻るとしたが、現在の予測値は目標中央値の3%を上回っており、上下1・5%ポイントという許容範囲に抑えることを目指す意向だ。2023年は12カ月間の累計が4・6%だったが、24年は4・0%、25年は3・4%、26年は3・2%と予測している。24年と25年の予測値は、前回の報告書より0・5%ポイントと0・2%ポイント上方修正された。
なお、6月26日付アジェンシア・ブラジル(2)によると、同日付連邦官報には、2025年以降、インフレ公式目標は1~12月という暦に関係なく継続することと、目標の上限を超えた状態が6カ月以上続いた場合、中銀はインフレ抑制上の責任を履行できなかったとみなされることが掲載された。
従来は12月末のインフレ率により、目標を達成できたか否かが問われていたが、今後は年度には関係なく、6カ月以上、上限を超えた場合は目標が達成できなかったと判断される。財務省と企画予算省、中銀は昨年中に合意に達していたが、今回は大統領令によって合意内容が確定した。公式目標はこれまで同様、3年前に定められる。24~26年の目標中央値は3%で、上下1・5%ポイントまでが許容範囲だ。
なお、1日付G1サイトなど(3)(4)によると、1日発表のフォーカス調査では、今年のIPCAの予測値が3・98%から4%に、25年のIPCAも3・85%から3・87%に上方修正されている。