パラー州=COP開催市市長が反環境?=ベレン市市長選にルーラ困惑

2025年に国際環境会議のCOP30開催が予定されているパラー州ベレンの市長選にボルソナロ前大統領支持者で反環境問題派の下議が出馬することに関し、ルーラ政権関係者が懸念していると1日付フォーリャ紙(1)が報じている。
問題の下議はエーデル・マウロ氏(自由党・PL)で、週末にボルソナロ前大統領とのイベントで出馬を表明した。同下議は下院の採掘者(ガリンポ)ベンチのメンバーで、日頃から環境保全を批判している。
同氏は警察官出身で、治安強化を主張し、これまでの捜査で多くの犯罪者を殺害していることを公言。下院でも口論を数多く行っている。
マウロ氏の存在を恐れ、懸念しているのがルーラ大統領とエルデル・バルバーリョ知事(民主運動・MDB)の関係者だ。それは、ベレン市では来年、国際環境会議のCOP30が開催されるためで、同氏が当選すれば、環境会議開催地の市長が反環境問題派となり、矛盾が生じてしまうためだ。
パラー州は法定アマゾン内でも重要な州の一つで、ボルソナロ派の知事が少なくない北部では貴重な親ルーラ派のバルバーリョ氏が知事ということもあって、開催を決めた経緯もある。まだ40代のバルバーリョ氏はルーラ氏のお気に入りで、2026年のルーラ氏の大統領選の副候補との呼び声もある。
ベレン市長選の世論調査では、現職の左派エジミルソン・ロドリゲス氏(社会主義自由党・PSOL)が3位に沈み、マウロ氏が1位につけている。現在は、マウロ氏を食い止めるべくバルバーリョ氏が推薦したイゴール・ノルマンド氏(MDB)が2位で追っている状態だ。