RS州大水害=気温5度で健康被害警告=続々と建設進む仮設住宅

【既報関連】リオ・グランデ・ド・スル(RS)州では、4月末からの豪雨による大水害からの再建・復興に向けた歩みが続いているが、保健省が2日、同州を中心とする南部諸州に寒さによって引き起こされる可能性のある健康被害に注意するよう、警告を発したと同日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
保健省が案じているのは急激な気温低下とそれに伴う疾病で、「低体温症や呼吸器系の疾患が住民の健康を脅かしている」と警告した。
RS州はサンタカタリーナ州山間部ほど厳しい寒さが報告されていないが、それでも、ポルトアレグレなどの都市部でも最低気温が5度前後まで低下する状態が続いている。
寒い時期はインフルエンザウイルスや新型コロナウイルスを含むウイルス性感染や、気温の変化による風邪などの疾患罹患者が増える上、屋内に閉じこもりがちになり、換気をおろそかにすることも多くなる。
保健省は、風邪や肺炎を避けるため、換気を行うことや、こまめに手を洗い、洗っていない手で顔に触れるのを避けることなども推奨。水分を十分にとる一方で、酒類は避けること、体温を保つために上着や手袋などの防寒対策を怠らず、低体温症を避けること、ストーブを使う時は手入れと換気を忘れないこと、血液循環を保つために運動を行うことなども推奨している。
RS州では水害に伴う感染症や、各地に残る瓦礫などのせいで起こるほこりなどへの注意も必要だ。
3日付アジェンシア・ブラジル(2)によると、3日現在の死者は180人、行方不明者は32人となり、家屋を失ったり、安全上の理由で家屋が封鎖されたりして避難所生活を強いられている人の数も徐々に減少している。
また、4日付G1サイトなど(3)(4)(5)(6)によると、4日にはカノアス市で126戸の仮設住宅街「人道支援センター(CHA)」も発足。アルベルト・パスクアリニ製油所の傍にできた仮設住宅街には約630人が入居可能で、赤ちゃん用更衣室や共用キッチン、ランドリー、コンビニエンスセンター、子供用スペースを完備したパビリオンが併設されている。仮設住宅街には診療所や24時間体制の派出所もあるという。
仮設住宅街は、カノアス市にもう1カ所、ポルト・アレグレ市に3カ所の計5カ所造られる予定だ。
他方、3日付アジェンシア・ブラジルvによると、応用経済調査所(Ipea)は3日、浸水被害などがより深刻だった自治体では正規雇用者の84~92%が影響を受けたと発表。エルドラド・ド・スルやロカ・サレス、ムスンといった市で影響を受けた民間施設は74~82%。ポルト・アレグレでは少なくとも27%の施設が水害に直撃され、正規雇用者の38%に影響が出たという。
水害が及んだ範囲が広域であることなどから、上院では国内移住に関する国家政策策定に向けた議論も始まっている(1日付アジェンシア・ブラジル(8)参照)。