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ボリビア=巨大な天然ガス田発見=ブラジル政府直接購入目指す

2024年7月23日

天然ガスの輸送管(Foto:Agência Petrobras/Agência Brasil)
天然ガスの輸送管(Foto:Agência Petrobras/Agência Brasil)

 南米ボリビアのルイス・アルセ大統領は15日、同国の行政・立法上の首都ラパスの北方で1・7兆立方フィートの巨大天然ガス田を発見したと発表した。2005年以降で最も重要な発見とされる天然ガス鉱床は、同年以降で最大規模、同国では3番目に生産量が多いとされており、同大統領はこの発見に約5千万米ドルを投資したことを明らかにした。ブラジル政府は、輸入価格削減と再工業化や天然ガス市場の強化に寄与することを期待し、ボリビア石油公社(YPFB)との直接的な天然ガスの購入契約締結を目指している。同日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)が報じた。
 南米諸国は長年にわたる石油・ガス生産量減少によるエネルギー危機に直面しており、これが国の外貨準備高に打撃を与えている。
 アルセ氏は、YPFBが埋蔵量を詳細に評価するための調査をコンサルタント会社に依頼している最中であるとし、具体的な数値について述べることを避けたが、「おそらく国内で3番目に大きなガスフィールドになるだろう」と述べた。
 YPFBによると、2016年の同国の天然ガス生産量は5660万立方メートル/日だったが、23年は3190万立方メートル/日に減少している。
 アルセ氏自身も、過去10年間は探査活動を怠っており、ガスの生産量減少という課題に直面していることを認めている。これにより、国内のガス供給や輸出に影響が出て経済的な課題を引き起こしている上、ガス産業の衰退でディーゼル燃料やガソリンの輸入を維持するために外貨準備高が減った結果、銀行システムでドルが不足するという悪循環に陥っている。
 19日付ポデール360(3)によると、ブラジル政府はYPFBからの直接的な天然ガス購入を目指しており、この発表に先立つ8日、アレシャンドレ・シルヴェイラ鉱山動力相がブラジル産業界の代表団と共にサンタクルス・デ・ラ・シエラ市を訪れ、YPFB総裁と会談していた。
 エネルギー関連のコンサルタント会社ブラジル・インフラ・センター(CBIE)の石油・ガスの専門家、ペドロ・ロドリゲス氏によると、この取り組みは「雇用創出のためのガス促進」プログラムの一環で、90年代に始まった大規模産業の代表者の要求に応え、国内の産業消費者により大きな自由を与えることを目的としている。
 だが、同計画の実施にはまだいくつかの課題があり、天然ガスの直接購入が透明かつ競争的な方法で行われるためには、輸送インフラへの第三者の自由なアクセスを規制することが必須だという。
 ロドリゲス氏によると、「政府や規制当局が投資家や市場参加者と十分にコミュニケーションを取らず、規制や監督が適切に行われないと、不正行為や投機的行動が起こりやすくなり、それがブラジル市場の信頼を損なうことにつながる可能性がある」という。
 鉱山動力省の予測によると、YPFBから天然ガスを直接購入することで、輸入価格を現在より約40%引き下げることができるという。総計で1日あたり最大600万立方メートルのガスが取引される可能性があり、その内400万立方メートルはボリビアから、残りの200万立方メートルはアルゼンチンからボリビアを経由して供給される。
 ロドリゲス氏は、「ガスの直接購入のような措置は、ブラジルの再工業化と国内天然ガス市場の強化に向けた重要かつ必要なステップの一つ。理想的な未来に向けて、ブラジルは天然ガスの供給を十分に確保し、地下再注入の削減、輸送、流通、配布インフラの拡充など、持続可能な解決策に投資する必要がある」と説明した。


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