南米統合ルート=25年1本、翌年2本開通=中国等アジアに急接近


シモーネ・テベテ企画予算相が18日、ブラジルと近隣諸国間の五つの南米統合ルート中、最初のルートは2025年に開通し、残りの二つも2026年までに完成すると述べたと同日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)(3)が報じた。
最初に開通する道路はブラジル北部全体と北東部の一部をコロンビア、ペルー、エクアドルとの三重国境に接続する。同相は、「これにより、中国による投資でペルーに建設中の南米最大の港の一つであるチャンカイ港と相互接続されることになる」と述べた。
同相によると、同港との統合により、ブラジル製品のアジア、特に中国への流れが促進されるという。「残りは川の浚渫だけ。工事開始のためのサービス命令は既に出ており、三重国境に税関を設置するつもりだ」と語った。このルートは全て水路なので、汚染を引き起こしたり、木を伐採することなく開発できる。
同相は、ブラジル製品は南米市場だけでブラジルの人口とほぼ同じ2億人に届くことにも触れ、統合ルート開通で中国やアジア市場により早く到達できる上、ブラジルとほぼ同規模の市場にブラジル製品を販売できる可能性があると強調した。換言すると、五つの南米統合ルートは、ブラジルと南米諸国との貿易促進・強化と、ブラジルと近隣諸国、アジアとの間の商品の輸送時間とコストの削減という二重の役割を担うことになる。
2023年5月30日に南米首脳が集まって開催されたブラジリア・コンセンサスで地域統合の再開が決まった後、南米諸国と国境を接する11州と協議して設計されたルートは以下の通り。
(1)ギアナ島ルート:アマパー、ロライマ、アマゾナスの各州とパラー州の一部を含み、ガイアナや仏領ギアナ、スリナム、ベネズエラを結ぶ。
(2)マンタ・マナウス複合ルート:アマゾナス州全体とロライマ、パラー、アマパーの各州の一部をカバーし、川でコロンビア、ペルー、エクアドルとつながっている。
(3)ロンドン四分円ルート:アクレ、ロンドニアの両州とマット・グロッソ州の西部全体を含み、ボリビアやペルーにつながる。
(4)カプリコーン・バイオセアニカ・ルート:マット・グロッソ・ド・スル、パラナ、サンタカタリーナの各州とパラグアイ、アルゼンチン、チリを複数のルートで結ぶ。
(5)ポルト・アレグレ‐コキンボ・ルート:リオ・グランデ・ド・スル州とアルゼンチン、ウルグアイ、チリを統合する。
ブラジル領土内での統合作業の経費は、連邦政府の予算に加え、社会経済開発銀行(BNDES)からの30億米ドル(約150億レアル)の融資が当てにできる他、米州開発銀行(BID)、ラテンアメリカ、カリブ海諸国開発銀行(CAF)、フォンプランタといった地域開発銀行からの融資計70億米ドルを利用できることになっている。