継続的社会扶助給付=対象者に登録更新指示=経費急増で見直し必要に

【既報関連】財政均衡法に基づいた基礎的財政収支の赤字目標を達成するために150億レアルの予算凍結などの財政抑制が必要となったことで、連邦政府が26日、継続的社会扶助給付(BPC)受給者の登録更新に関する基準を発表したと同日付G1サイトなど(1)(2)が報じた。
財政均衡法に基づいた今年の基礎的財政収支の赤字目標はゼロだが、歳出が歳入を上回ることが必至で、赤字額を288億レという許容限度ギリギリに設定した上で22日に正式発表されたのが150億レの予算凍結だった。
同日は、予算凍結などの措置が必要となった理由の一つとして、困窮している高齢者や障害者、障害をもつ疾病者を持つ人々に支払われているBPCや社会保障給付金の支出額が予算作成時の予想以上に増加していることも語られた(23日付G1サイト(3)参照)。
それによると、24年に入ってからのBPCや社会保障給付金の金額は予算額を110億レ以上上回っている。具体的には、BPCが64億レ、社会保障給付が49億レの予算超過となっている。昨年のBPC支給額は1115億レで、国内総生産(GDP)の約1%を占めた。
BPCの受給申請者は月平均17万人とされ、その他の恩恵受給者以上に増えている。22~24年のBPC受給者の増加率は37%、今年3月までの12カ月間では12%で、現在の受給者は602万人だ。
これは、高齢化や新たな診断結果が出たことでBPCの受給対象となる人が増えていることが原因といえるが、一方では、本当は受給資格がないまたは失ったのに受給している人がいる可能性も指摘された。
そこで発表されたのが、BPC受給者の登録更新基準だ。BPC受給者は統一登録システム(CadUnico)に登録した上、2年毎に登録を更新する義務があるが、実際には更新していない受給者も相当数いる。
ウェリントン・ジアス飢餓対策・家庭社会支援・開発相とカルロス・ルピ社会保障相が署名し、26日付連邦官報で公表した基準では、人口5万人までの市に住む受給者の登録更新期間は45日、それ以上の市なら90日となっている。
ただし、リオ・グランデ・ド・スル州大水害で非常事態を宣言した市に住み、BPCを受け取っている人は、今回の登録更新の対象外となる。また、登録更新を怠って支給を停止された人は、30日以内に登録内容を更新し、受給申請を出し直す必要がある。
また、不正行為防止のため、9月1日からは指紋の登録が必須となる。国立社会保障院(INSS)は、受給者の月収が基準以下かを毎月確認し、基準額を超えた時は支給を停止することや、登録更新時に矛盾する内容や兆候があった時は受給申請の内容を調べることも義務付けられた。