マナウス自由貿易区=投入物等の注文を前倒し=干ばつの影響軽減のため

【既報関連】アマゾン流域の川の水位が昨年同期を下回っている上、今後数カ月間は雨がほとんど降らないため、アマゾナス州マナウスの自由貿易地区(ZFM)の企業や物流業者、州政府などが、大規模な干ばつの影響を軽減するために躍起になっていると9日付オ・グローボ紙(1)が報じた。

今年の干ばつは昨年以上深刻になると見られているが、干ばつ中も河川の航行を維持するための確たる対策は立てられていないため、ZFM内の企業は生産活動に必要な投入物の注文や他地域への製品輸送を前倒しするなどの措置を採用。コンテナターミナル運営に携わる物流業者は、船舶や倉庫の容量増加や独自の浮きドックのための投資も行っている。
同地域では昨年8~12月の乾季に河川の水位が史上最低水準に達し、貨物船が45日間、マナウスに到着できなかった。アマゾナス州の業界を代表する団体のCiemは、昨年は干ばつに伴う追加輸送費などで14億レの損失が生じたと見ている。
昨年は川沿いのコミュニティの孤立や干ばつ中の運送費の例年以上の高騰が起き、他地域への電化製品の輸送(納品)が脅かされた。食料を含む物資不足はマナウス市内のインフレを加速させ、孤立した地域では飢餓に直面する人も出た。
ZFMは税的優遇措置を受けた工業地区で、電化製品などの生産が盛んだが、コンテナを運ぶ貨物船や製品をトラックごと運べるフェリーへの依存度が高い。水位が下がる乾季は貨物量を減らす必要があり、輸送費が高くなるが、昨年は貨物量を減らしても運航できない貨物船が出て、浚渫工事も必要となった。運輸省は今年も、7・68億レを浚渫工事に投ずる予定だという。