ペトロブラス=第2Qは約4年ぶりの赤字=為替影響と特別支払いが起因

ブラジル石油公社ペトロブラス(PB)は8日、有価証券取引委員会(CVM)に対し、2024年第2四半期(Q)は26億レの損失で終わり、287億レの利益を計上した前年同期比で大きく転落したと報告。配当金として136億レアルを支払うことも発表した。同日付エスタード紙(1)が報じた。
PBの最後の損失は、新型コロナウイルスによるパンデミックの年である20年の第3四半期に記録された15億レだった。
第2四半期の損失は、営業成績が安定していたにもかかわらず発生した。同社によると、これは、税務管理審議会(CARF)との租税債務決済の合意に関連する119億レの支払いが会計上集中したことなどの「特別な出来事」に起因するものだという。この支払いは分割で行われるため、キャッシュフローへの影響は軽減。配当金の支払いが可能になる。
また、親会社と国外子会社間の債務に関する為替の影響も大きく、前記の損失の他に124億レの損失が生じ、70億レの引当金が加わるという。ある幹部は「これらの一時的な影響がなければ、280億レ程度の利益を示していたはず」と説明している。
第2四半期の売上は前年同期比で7・4%増、前四半期比では3・9%増の1222億レだった。利息・税金・減価償却及び償却前の収益(EBITDA)は前年同期比で12・3%減、前四半期比で17・2%減の497億レだった。
また、24年上半期の利益は210億レで、前年同期の669億レ比で68・5%減となっ。
PB経営審議会は8日、24年第2四半期の結果を基に、配当金と株主資本利子(JCP)として136億レの支払いも承認した。この配当金は普通株式と優先株式それぞれに対して、1・05320017レの報酬に相当する。
支払いは2回に分けて行われる。サンパウロ証券市場(B3)で取引されている株式の保有者への初回支払いは11月21日、2回目の支払いは12月20日に行われる。第2四半期は特別配当金の支払いはない。
また、B3で取引される同社発行株式については8月21日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)で取引される米国預託証券(ADR)保有者については8月23日が支払い期日となる。B3でのPB株式は、8月22日から「権利落ち」として取引される。
この配当金を賄うために、PBは23年の特別配当に関連して蓄積された219億レの資本準備金から64億レを使用すると発表した。この額は、前年同期の配当金149億レを8・9%下回った。
関係者によれば、同社のキャッシュフローは健全な水準を維持しており、配当金を支払う能力があるという。ただ、CARFとの和解に伴う支払いの約35億レがキャッシュフローに影響を与え、配当金が若干減少したという。
24年はこれまでに、第1四半期の134・5億レを含む270億レの配当金を支払っている。
連邦政府は、社会経済開発銀行(BNDES)とその持株株会社BNDESParを通じ、同社資本の36・6%を所有しており、第2四半期に承認された配当金の内、49・6億レを保有する。
国は今年、第1四半期の49・2億レ込みで98・8億レの配当金を受け取っている。
23年の配当金は合計944億レで、724億レが通常配当金、220億レが特別配当金だった。残りの半分は報酬準備金として蓄積されており、今年末までに分配される可能性がある。22年は合計2157億レの配当金が支払われた。
24年第2四半期の同社の純負債は前年同期比で9・4%増の461億米ドルとなった。前四半期末と比べた増加率は5・8%だった。
また、総負債は24年6月30日現在で596億米ドルとなり、前年同期比で2・9%増加、3月末と比べると3・6%減少した。
第1四半期末の負債の平均返済期間は11・3年だったが、第2四半期末は11・76年に延びた。平均コストは年率6・5%から6・6%に微増した。総負債とEBITDA調整後の比率は1・22倍で、第1四半期と同水準だった。
PBの投資額は34億米ドルで、前年同期比で4・7%、前期比で11・5%の増加となった。
第2四半期のフリーキャッシュフロー(配当の計算基準となる指標)は318億レで、前年同期比で4・3%、前期比で1・7%の減少となった。