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サンパウロ市市長選火ぶたを切る=5候補がTV討論会激論=最新世論調査で大差なく

2024年8月10日

討論会でのマルサル氏とタバタ氏(Reproducao)
討論会でのマルサル氏とタバタ氏(Reproducao)

 8日、サンパウロ市市長選に関する二つの世論調査の結果が発表され、5人の候補に可能性がある激戦ぶりが示された。また、同日は今回の市長選では初めてのテレビ討論会も開かれ、それぞれの候補が視聴者にアピールを行った。同日付フォーリャ紙(1)などが報じている。
 ダッタフォーリャが8日に発表した最新の世論調査では、現職のリカルド・ヌーネス氏(民主運動・MDB)が23%で1位、2位のギリェルメ・ボウロス氏(社会主義自由党・PSOL)も22%だったため、誤差の範囲内での引き分けということになった。
 3位にはジョゼ・ルイス・ダテナ氏(民主社会党・PSDB)と自己啓発家のインフルエンサー、パブロ・マルサル氏(労働刷新党・PRTB)が14%ずつで並んだ。5位にはタバタ・アマラル氏(ブラジル社会党・PSB)、6位にはマリーナ・エレナ氏(ノーヴォ)の2人の女性候補が7%と4%で続いた。
 ダッタフォーリャは6、7日に市民1092人に聞いたアンケートを基にしているが、この日はアトラス/インテル社も、2〜7日に2037人の市民に聞いたアンケート結果を発表している。
 同調査では32・7%の支持を得たボウロス氏が1位となり、24・9%で2位だったヌーネス氏との間では明らかな差がついた。
 3位から5位は激戦で、マルサル氏11・4%、ダテナ氏11・2%、タバタ氏9・4%と、誤差の範囲内での3位争いとなった。
 二つの調査では決選投票のシミュレーションでも差がみられる。ヌーネス氏とボウロス氏の場合、ダッタフォーリャは49%対36%でヌーネス氏の圧勝としているが、アトラス/インテルの場合は42・4%対42%の僅差ながらボウロス氏が勝利するとの結果だった。(2)
 8日夜、バンデイランテス局では聖市など、複数の州都での市長選の候補たちによる初の討論会が行われた。
 サンパウロ市市長選の候補の討論会では、同局で自身のニュース番組「ブラジル・ウルジェンテ」を持っているダテナ氏が参加しており、同氏の語り口から、「まるで特番を見ているようだ」との声がネット上で上がっていた。
 討論会では、マルサル氏が急進左派のボウロス氏を「住居侵入者」「ハマスの味方」と呼んだ上、「ファヴェーラの現実が美化されている」などの発言を行い、注目された。これは、ボルソナロ前大統領が推薦しているヌーネス氏からボルソナロ派の支持者を奪うことを狙った発言だと受け止められた。
 他方、マルサル氏は、2010年に銀行の現金を横流しした犯罪に参加したことで有罪になった過去があることや、所属のPRTB党首レオナルド・アヴァランチェ氏が、マルサル氏が犯罪集団の首都第一コマンド(PCC)とつながりがあることを語った録音が報道されたことに関する質問をタバタ氏から受け、「新聞見出し以外のことを学ぶように」と声を荒げて怒る姿も見せた。(3)
 タバタ氏への攻撃性は、サンパウロ市西部の地域活性化計画についての質問に答えられず、聖市に関する知識の欠如を露呈した際に、タバタ氏を「共産主義者のバンパー(盾)」「傀儡候補」と呼んだことからもうかがわれた。
 一方、タバタ氏はヌーネス氏に対しても夫人への暴力疑惑の真相を問い質すなど、鋭い切り口が冴え、討論会後の報道で最も言及された候補者となっていた。


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