国民の1割が携帯盗難被害=銀行情報等の漏洩リスク拡大

2023年7月からの12カ月間で、国民の10人に1人が携帯電話の盗難や強盗に遭っていることが明らかになったと13日付オ・グローボ紙(1)が報じた。世論調査機関ダッタフォーリャが6月11〜17日に、全国の16歳以上の2508人を対象に行ったアンケートで明らかになった。
調査結果によると、9・2%の回答者が過去1年内に携帯電話を盗まれた経験があると答えた。これらの犯罪の被害者の15%は州都圏の住民であり、他の6%は地方住民だった。人口が50万人以上の都市の住民では14%に達した。
ダッタフォーリャは同調査の被害の割合と人口規模から計算し、この期間中に1470万人が被害に遭ったと推定している。これは、1時間に1680台以上の携帯電話が犯罪者に奪われている計算になる。
この数字は、国内で毎年記録される携帯電話の盗難・強盗件数の14倍以上だ。最新のブラジル治安フォーラム(FBSP)の年次報告によると、2023年を通じて国内で記録された強盗・窃盗件数は93万7千件だったので、こちらは氷山の一角だった。
それを裏付けるように、この調査によれば被害者の多くが事件を報告していないことも明らかになった。回答者のうち携帯電話の盗難・強盗の被害届を出したと答えたのはわずか55%。つまり45%が報告されていないことになる。
約53%が携帯電話の盗難を恐れて、特定の地域や時間帯には出かけないようにしていると答えた。10人中2人(21%)のみが、スマートフォンを奪われた場合の損害保険に加入していると回答しており、79%はこのリスクに対して経済的に保護されていないことが判明した。これらの犯罪による国民への被害額は12カ月間で合計227億レアル(約6110億円)に上るとダッタフォーリャは推測している。
この調査は、国内のインターネット犯罪と財産犯罪の影響を評価するために、FBSPとフォーリャ紙が委託したものだ。
携帯電話の盗難は金銭的な損失だけでなく、プライバシーの侵害や個人情報の流出の可能性も含んでいる。PIX送金に関わる銀行情報、個人写真、連絡先など、携帯端末に保存される機密情報の量が増加しているため、盗難に伴うリスクは増幅している。