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サンパウロ州防災局=全地域で異常乾燥に注意=森林や農地で大規模火災=首都まで煙、放火で逮捕

2024年8月27日

消火活動中にトラックが引火、炎上し、2人が死亡と報じる23日付メトロポレ・サイトの記事の一部
消火活動中にトラックが引火、炎上し、2人が死亡と報じる23日付メトロポレ・サイトの記事の一部

 少雨干ばつで、州防災局が森林火災に注意をと警告を発している中、サンパウロ州内陸部では22日以降、大規模な火災が発生。州政府も対策室を設けたりして対応に努めたが、鎮火は26日で、現在も48市が監察下に置かれている。また、煙の影響は連邦直轄区などにも及んだ。

サンパウロ州政府が開設した火災対策室での会議(©Defesa Civil SP/Divulgacao)
サンパウロ州政府が開設した火災対策室での会議(©Defesa Civil SP/Divulgacao)

 サンパウロ州防災局が少雨干ばつで湿度が極端に低くなっているため、森林火災のリスクが高まっていると警告を発したのは19日だった(同日付G1サイトなど(1)(2)参照)。同局はこの時点で、海岸部を除く全地域の湿度が20%を切り、最高気温も30度を超えるとしていた。
 同局の懸念が現実のものとなったのは22日午後で、リベイロン・プレット地方セルトンジーニョで火災が始まり、州道33号線沿いのサトウキビ畑で上がった火の手は、一時、小康状態になったかに見えたが、23日には勢いを増し、リベイロン・プレット市が煙に覆われた(23日付G1サイト(3)参照)。
 同地域のサトウキビ畑の所有者のライゼン社は23日、焼き畑などは行っておらず、出火原因は不明、従業員は無事との声明を出したが、ウルペス市の企業では、30歳と48歳の従業員が消火活動中にトラックが転倒し、燃料が漏れて引火、炎上。2人とも死亡した(23日付メトロポレス(4)参照)。
 火災は他市でも起きており、事態を重く見たサンパウロ州政府は23日に45市に対して180日間の非常事態を宣言すると共に対策室を開設(23日付CNNブラジルなど(5)(6)参照)。防災局は地域住民に、家畜が逃げられるように開門し、火の手が届かない場所に退避するように勧めると共に、煙や火の手に覆われている高速道の走行を避けるよう警告した。
 24日朝の時点での火災発生市は30を数え、異常乾燥状態と火災に伴って発生する強い風による煙拡散などで、環境面や健康面での被害への警告も出た。また、当該地域を通過する車両には道路の状況に関する情報を集め、無理な走行を避けることなどが勧められた。
 25日付アジェンシア・ブラジルなど(7)(8)(9)(10)(11)によると、その後は、寒波が入り、小雨が降る状態になったことで火災は小康状態に向かうかと思われたが、空軍機の支援なども得ても火の手はなかなか収まらず、25日昼現在も21市で火災が続き、最高度の危険水準とされて監察下に置かれた市が46に達したとされたが、同日夜の発表では危険水準で監察下に置かれた市は48に増えた。

45市に180日間の非常事態を宣言と報じる25日付CNNブラジルの記事の一部
45市に180日間の非常事態を宣言と報じる25日付CNNブラジルの記事の一部

 24日付アジェンシア・ブラジルなど(12)(13)(14)によると、このような状況は連邦政府も案ずるところとなり、24日にアレッシャンドレ・パジーリャ渉外室長官がサンパウロ州政府への支援の準備があるとの意向を表明。25日には犯罪行為が疑われるとして連警による捜査が命じられた上、マリーナ・シルヴァ環境相が国内各地で起きている火災への対応強化を約束すると共に、犯罪行為の厳罰化擁護も行った。
 連邦政府による犯罪行為との懸念は、今回のサンパウロ州での火災が同時期に広範囲で発生したこととも関係があるが、サンパウロ州政府は25日、少雨高温と異常乾燥など以外に犯罪行為が認められたとし、24日にサンジョゼ・ド・リオ・プレット、25日はバタタイスで各1人、放火の容疑者が逮捕されたと発表。バタタイスで逮捕された男性は州都第一コマンド(PCC)の命令を受けて放火したと自供したという(25日付アジェンシア・ブラジルなど(15)(16)(17)参照)。
 25日付アジェンシア・ブラジルなど(18)(19)(20)サンパウロ州内陸部での火災の煙は25、26日に連邦直轄区の空も覆ったが、サンパウロ州のタルシジオ知事は26日朝、火災が残っている市はなくなったが、監察下にある48市は観察を継続することやポルト・フェレイラでも放火の容疑者が逮捕されたこと、出火原因の捜査は続けることも明らかにした(26日付G1サイトなど(21)(22)(23)参照)。
 同知事は、26日は当該地域の学校は清掃のために休校とするが、27日には授業を再開すると発表。800家族以上が一時退避を必要としたが、家屋焼失による避難者はいないという。防災局は3日間の火災発生は2300カ所以上で2万ヘクタール以上を焼失としているが、焼失面積は3万3千ヘクタールなどの情報もある。農業界の被害額は10億レとの声もあるが、サッカーの試合その他のイベント中止などによる被害額や焼失面積も含めた最終評価はまだ出ていない。
 26日付G1サイト(21)によると、22~23日の火災発生は昨年8月の352カ所の約7倍にあたる2316カ所だったという。国立宇宙研究所(Inpe)によると、週末のサンパウロ州の火災カ所は、森林火災の新記録を更新している法定アマゾンさえ超え、国内トップだったという。


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