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25年度予算案=GDP2・64%増が前提=歳出増はインフレ率以上

2024年9月4日

25年度予算案について説明するダリオ・ドゥリガン財務省事務次官(©Jose Cruz/Agencia Brasil)
25年度予算案について説明するダリオ・ドゥリガン財務省事務次官(©Jose Cruz/Agencia Brasil)

 【既報関連】連邦政府が8月30日に25年度予算案を提出したが、義務的支出の伸びも大きく、財政均衡法順守や健全な財政維持かを不安視する声も出ているようだ。
 8月30日付アジェンシア・ブラジル(1)によると、来年度の年間予算法プロジェクト(Ploa)が設定した国内総生産〈GDP〉の予測成長率は2・64%で、複数年予算を策定した連邦予算基本法(LDO、4月に提出)で想定した2・8%を下回った。他方、26~28年のGDPの伸びは2・6%と想定されている。
 また、来年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、LDOで想定した3・1%以上の3・3%に修正された。26~28年は3%だ。
 また、25年末の経済基本金利(Selic)の予測値は8・05%から9・61%に、為替は1ドル=4・98レから5・19レにと、全てに修正が加えられた。26年のSelic予測値は8・26%で、27~28年は6・9%だ。
 これらの変化はここ数カ月間のインフレ率や為替の動きなどを取り入れたもので、経済成長率は小幅になるがインフレ率は上昇という予想は、歳出額の見通しなどにも影響する。
 物価上昇の予測値が引き上げられたことは、最低賃金や年金支給額などにも影響する。8月30日付アジェンシア・ブラジル(2)によれば、25年度予算案には所得税の徴収基準見直しは含まれていないが、予定最賃額はLDOで想定していた1502レを7レ上回る1509レとなった。最賃計算に使う全国消費者物価指数(INPC)は11月までの12カ月間で3・83%の見込みで、最賃は現行額を6・87%上回る前提だから、年金などの支出額もインフレ率以上に増える。
 インフレ率が上昇すれば、税収も増えるが支出も増える。財政均衡法で定めた基礎的財政収支の赤字額は24年がゼロだったが、連邦政府は赤字額上限まで歳出額を増やして今年度を終える予定だから、来年も税収増への工夫は必至だ。
 だが、2日付G1サイトなど(3)(4)(5)(6)によると、最賃引き上げに伴う年金その他の社会福祉費が711億レ、連邦公務員増員に伴う予算が21億レ、公務員給調整で160億レのように、義務的支出が1322億レ増える予定で、連邦政府の裁量的支出の増額分は117億レとされている。8月30日付アジェンシア・ブラジルなど(7)(8)(9)によると、連邦政府の経費は予算年の前年6月までのインフレ率以上に増えた歳入額の70%か、インフレ率+0・6~2・5%で増額できるが、25年の場合は5・78%が上限となる。また、25年度予算案での基礎的収支は37億レの黒字の見込みで、投資にも743億レが計上されているという。ただし、この額は裁判所が支払いを命じたが支払いが遅れているプレカトリオ441億レを含んでいない。
 今年は選挙年の上に、予算案の審議、承認は年末だから、今後も変更が加えられる可能性が高い。また、2日付アジェンシア・ブラジルなど(10)(11)(12)(13)によると、来年度予算ではの赤字ゼロ化には1662億レの予算外歳入が必要といわれ、ビッグテックへの増税案提出の可能性も出ているが、予算委員会委員長は来年度予算では歳入増加に焦点が当てられ、税収見込み額が高すぎることなどを懸念しているという。連邦政府には、今年度の財政状況を健全に保つための増収や経費削減なども求められている。


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