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サンパウロ州=コーヒー樹も林野火災延焼=被害10億レか、収穫先送り

2024年9月11日

ペドレグーリョとブリチザルの間にあり、煙に囲まれたコーヒー園(Reprodução/EPTV)
ペドレグーリョとブリチザルの間にあり、煙に囲まれたコーヒー園(Reprodução/EPTV)

 【既報関連】8月下旬から9月第1週に起きた聖州内陸部の林野火災のため、同地域での次のコーヒー(カフェ)の収穫は2027年になると10日付G1サイト(1)が報じた。

8月21~9月7日の火災件数上位10市とその件数(9日付G1サイトの記事の一部)
8月21~9月7日の火災件数上位10市とその件数(9日付G1サイトの記事の一部)

 9日付G1サイト(2)によると、8月21日~9月7日に起きた火災件数の上位10市中、6市はリベイロン・プレット地方にあり、サトウキビ畑や原生林などに大きな被害が出たが、サトウキビ畑や原生林に近いコーヒー園でも延焼が起き、苗木を植え直す作業から再出発するため、2025年に見込んでいた収穫は27年に持ち越しとなるという。
 コーヒーは保全林やサトウキビ畑に近い所で栽培されることも多く、今回の火災で修復不能な損失を受けたという。これにより、今年の収穫が失われた上、苗木を植え直す必要が生じ、25年に始まる次のサイクルの収穫も危なくなっているというのだ。
 国家配給公社(Conab)による収量予測の発表は19日だが、現在も火災が続いている地域があり、焼失面積が確定できず、損失額の算定や収量予測が困難との声もある。
 サンパウロ州のコーヒー栽培に関する調査などを行っているプロ・カフェ財団も当初、火災の被害を受けたのはアルタ・モジアナ・パウリスタ地方のアルチノポリス、リベイロン・コレンテ、クリスタイス・パウリスタ、ペドレグーリョの各市にある畑約100ヘクタールと見ていた。
 だが、サトウキビ畑や雑木林で始まった火がコーヒー園にも及ぶという、過去にあまり例を見ない事態が生じたことが判明。9月に入って起きた火災の被害まで含めた数字はまとめきれていない。
 ペドレグーリョでコーヒー園を経営する農業技師のルーカス・ウビアリ氏は、隣の農場が火災に見舞われたのを見て、トラクターで防火帯を作る一方、近隣住民と共に噴霧器や消火器などを使い、製糖・アルコール工場から来た給水車による消火活動を支援したが、コーヒー園への延焼を防ぎ切れなかった。また、ケルシア家のように、畑だけでなく、農業機械類をしまっていた小屋も焼失した人達もいる(6日付G1サイト(3)参照)。
 コーヒー園はサトウキビ畑のように一気に燃え上がることは少ないが、火災の長期化と少雨で高温と乾燥が続き、水分を失った樹から落ちた葉が広がり、周囲で火災が再発すれば延焼する可能性が増した畑も出ている。
 プロ・カフェ財団のマルセロ・ジョルドン理事によると、霜の場合は焼けた枝を払えば再び実がつくが、火災の場合は地表に近い木の内部までやられるため、修復不能で、植え直す必要があるが、収穫までは平均で2年間かかるという。
 サンパウロ州内陸部の火災による被害額は8月末時点で10億レと見られていたが、その後も火災が続いていることや実態判明により、被害額も増している。一例はサトウキビで、8月末は5億レとされていた被害額が、5日の時点では8億レに修正されている(5日付G1サイト(4)参照)。


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