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農業生産=少雨干ばつが収量に影響=気候変化への対応が鍵に

2024年9月18日

主要産物の大豆(©CNA/Wenderson Araujo/Trilux)
主要産物の大豆(©CNA/Wenderson Araujo/Trilux)

 国家配給公社(Conab)が12日、2023/24農年の農産物の収量は前農年を2140万トン下回る2億9841万トンとの見通しを発表したと同日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
 収量減はマラニョン、トカンチンス、ピアウイ、バイアの4州からなるマトピバ地域とサンパウロ州、パラナ州に加え、中西部の州でも作付サイクルの一部で降水量が少なかったことと、作付開始時の降雨安定が遅れたことが主な原因だという。また、リオ・グランデ・ド・スル州での大水害で最初の作付分の収穫が損なわれたことも影響した。
 同公社によると、マット・グロッソ・ド・スル州に加え、サンパウロ州とパラナ州でも第二収穫期の作物の成長期に悪条件が発生したが、それでも、今農年の収量は史上2番目だという。
 推定作付面積は7982万ヘクタール(ha)で、2022/23農年に比べて1・6%(127万ha)増えたが、haあたりの平均生産性は4・072キロが3・739キロに8・2%減った。
 悪天候の影響を受けた作物の筆頭は大豆で、23/24農年の総収量は前農年より723万トン少ない1億4738万トンの見込みだ。減収となった主な理由は、9~11月に種を蒔いた中西部や南東部とマトピバ地域での降雨の遅れや少雨、高温だという。
 このような条件だと、作付の遅れや生産性低下が生じる。大豆の主要生産州であるマット・グロッソ州の収量は3934万トンで、当初の見込みを11・9%、昨年の実績は15・7%下回る。リオ・グランデ・ド・スル州では大水害で減収となった。
 トウモロコシも悪天候の影響が出ており、第1期は高温と不規則な雨がミナス州などの主要産地に影響を与えた。第2期はマット・グロッソ州やゴイアス州の気候が良好だった一方、マット・グロッソ・ド・スル州、サンパウロ州、パラナ州では3~4月に発生した日照りと害虫で生産能力が損なわれた。今年は作付面積も減ったため、総収量は前農年比で12・3%減の1億1572万トンとなる見込み。
 棉も生産性が1・5%低下し、種子棉の収量は4561キロ/haと見られている。ただし、作付面積は16・9%増えたため、生産量は15・1%増えた。綿花は365万トンで最高記録を更新する見込みだ。
 米も悪天候で生産性が落ちたが、作付面積増が幸いし、前農年比で5・5%増の1059万トン。第2期の生産性が18・5%増を記録したフェイジョン豆は前農年比で7%増の325万トンと見込まれている。
 16日付G1サイト(2)は、1970~2010年代は年4%の伸びを記録していた生産性が、2012年以降は少雨などで1・5%以下に止まっているとの専門家の声を掲載。以前は灌漑不要だった地域も少雨干ばつが通常化し、灌漑設備が必要となるなど、気候の変化に対応することが生き延びるために不可欠となってきているという。
 12日付アジェンシア・ブラジル(3)によると、地理統計院(IBGE)は同日、23年は農産物の生産量が増え、新記録を更新したが、生産額は前年を2・3%下回ったという報告も出している。


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