母娘がバー経営で月100万円稼ぐ=「黒人女性パワーを代表する空間」

北東部バイア州の州都サルバドール市にバーを開業したアントニア・バストスさんは、月に4万レアル(約104万円)の収益を上げる敏腕起業家として注目を集めている。彼女は娘らが協力し、黒人女性やLGBTなどの社会的弱者のための居心地の良い空間を提供し、郷土料理を独自にアレンジしたオリジナルメニューで多くの顧客を獲得している。アントニアさんの成功までの道のりや彼女の理念について、15日のグローボ局のテレビ番組「PEQUENAS EMPRESAS & GRANDES NEGÓCIOS(中小企業と大企業)」が紹介した。(1)
アントニアさんは数え切れないほどの困難を乗り越え、自らの事業を立ち上げるという夢を実現した。彼女は4人の娘の母であり、以前は路上でオレンジ、茹でトウモロコシ、ピーナッツ、キャンディを売って生計を立ててきた。彼女は「14歳の時には独立心を抱いていて、何かビジネスを立ち上げたいと考えていたんです」と回想する。
アントニアさんの熱意は娘ルアナさんとタイスさんにも受け継がれた。そして母娘が力を合わせ、同市歴史地区にユニークなバー「カーザ・サンコファ」を開くことに。サンコファとはアフリカのことわざに由来し、「過去からの学びを、未来へ生かす」という意味だ。
開店当初から「黒人女性のパワーを代表する空間」というコンセプトは明確だった。ルアナさんは「女性が嫌がらせを受けることなく、安心して気兼ねなくビールを楽しめる場所を作りたかったんです」と説明する。
従業員のチームもこの理念に共感し、体現している。ウェイトレスのロレナ・リマ・デ・オリヴェイラさんは、ホスピタリティの重要性を強調している。「誰もが、どこかに出かけたら歓迎されたいと感じるものです。ここでは、お客様に自宅にいるような心地よさを感じていただけるよう、細やかな配慮を心がけています」と語った。
現在、母娘はこの事業を通じて月に3万8千〜4万レアルの収益を上げている。同店では居心地の良さに加えて、ブラジル人のソウルフード「コシーニャ(コロッケ)」の中にバイア州伝統料理「ヴァタパー(粉末キャッサバ、エビ、ココナッツミルクなどをすりつぶしてペースト状にしたもの)」を入れた創作おつまみや、アフリカ伝来の「シンシン(鶏肉とエビをピーナツやココナッツミルクなどで煮込んだシチュー)」などのメニューでも際立っている。
また、他の黒人女性起業家とのパートナーシップを結び、アフロ文化の遺産を守りながら、街の文化シーンを盛り上げ続けている。公式インスタグラム(https://www.instagram.com/sankofacasa)。