サンパウロ州内陸部=送迎バスとトラック衝突=講義帰りの学生12人死亡

サンパウロ州内陸部で20日夜、講義を終えて帰宅する学生達を乗せたバスが反対方向から来たトラックとぶつかり、側面を削られた上、路肩の外側の草むらにはじき出され、12人が死亡、19人が負傷する事故が起きたと21日付G1サイトなど(1)(2)(3)(4)(5)が報じた。
事故発生は20日午後11時過ぎで、ヴァルジール・カナヴァリ道(州道355/330号線、片側1車線)のヌポランガ市~サンジョゼ・ダ・ベラ・ヴィスタ市間で乗客29人を乗せたバスとトラックが衝突した。
乗客はフランカ市のフランカ大学の学生で、講義終了後、送迎バスで約50キロ離れたサンジョアキン・ダ・バラ市に戻るところだった。死者は全員学生で、半数以上が17~20歳。中には3日目の講義後に事故に遭った学生もいた。
トラックはJ4トランスポルテス・ロドヴィアリオス社のもので、サンパウロ州のオンダ・ヴェルデからミナス州のイタウー・デ・ミナスに向かっていた。
消防と道路警察は21日午前4時頃までかけて救出作業を行ったが、バスはトラックに横腹を削られており、窓側の席にいた学生12人はトラックに直撃された形で亡くなった。
また、残りの座席にいた学生やバスの運転手、トラックの運転手の計19人が負傷。サンジョアキン・ダ・バラ市サンタカーザ病院に15人など、近隣市の病院に運ばれた。負傷者の内15人は軽傷で、21日午前9時までに退院許可が出たが、2人は同日午後現在もサンタカーザ病院で観察入院中だ。また、頭蓋骨骨折を起こした学生1人は転院となり、トラックの運転手と共にフランカ市の病院で入院加療中だ。
州道は、救出作業と散乱した車体の破片などの清掃を終えた午前6時頃、両方向とも通行が解除された。原因はまだ調査中だが、警察は、リンチに遭うことを恐れて逃げ出したが弁護士と連絡を取った後に戻ってきたトラック運転手を救助義務不履行と逃亡を図った嫌疑で現行犯逮捕した。呼気検査ではアルコールは検出されなかったが、運転手は殺人・傷害罪に問われる見込み。
J4社弁護士のマルコス・コルトリ氏によると、運転手はショック状態で詳細な供述はできていないが、対向車線にはみ出したことは認めている。また、コントロールを失い、元の車線に戻ろうとしたが、段差のために車両がさらに引っ張られたのだという。ただ、引っ張られた時にバスと衝突したのか、その逆なのかはわからないと語っているようだ。
運転手は警察の警備付きで入院しており、退院許可が出次第、警察署に連行され、事情聴取を受ける予定だ。
死亡した12人の葬儀はヌポランガ市営葬儀場(内輪のみ参加)と同市のライオンズ・クラブ(公開)の2カ所で行われる。フランカ大学は事故の後、3日間の服喪を宣言。21日の授業も休講とした。同州のタルシジオ知事も遺族らに哀悼の意を伝える声明を出し、3日間の服喪を宣言した(21日付アジェンシア・ブラジル(5)参照)。