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ルーラ政権=ニジア保健相入れ替えへ=閣僚交代で人気回復狙う

2025年2月22日

ニジア・トリンダーデ保健相(右)とアレッシャンドレ・パジーリャ大統領府渉外室長官(左)(Foto: Marcelo Camargo/Agência Brasil)
ニジア・トリンダーデ保健相(右)とアレッシャンドレ・パジーリャ大統領府渉外室長官(左)(Foto: Marcelo Camargo/Agência Brasil)

 【既報関連】20日付フォーリャ紙など(1)(2)によると、ルーラ大統領(労働者党・PT)は、政府内で進行中の大臣人事において、ニジア・トリンダーデ保健相を交代させる決定を与党メンバーに伝えた。ニジア氏はその分野の一流専門家として就任したものの、運営手腕には議会や大統領府内の関係者から不満や批判の声が上がり、保健分野での効果的な政策の欠如が指摘されていた。
 ルーラ大統領は、保健省予算は2025年に2397億レアルに達し、自身や自政権の人気回復にとって重要な要素だと認識している。保健省は今後、注目を集める政策を打ち出し、実施する必要があることは共通認識で、特に、専門治療へのアクセス拡大を目指す政策が中心となる見込みだ。新たな指導者の下でこの看板政策を推進し、政府の主要な施策として成功させたいねらいがある。
 ニジア氏の後任として最有力視されているのは、ジルマ・ルセフ政権下で保健相を務めた実績を持つアレッシャンドレ・パジーリャ大統領府渉外室長官(PT)だ。ルーラ氏はアルトゥール・シオロ元保健相を個人的に好ましく思っているが、政治的な理由から、パジーリャ氏を選ぶ可能性が高いとされている。パジーリャ氏は渉外室長官を務めていることから、保健省の現体制と密接な関係を持つため、政府内の調整がスムーズに進むと見られている。また、シオロ氏は現在、ブラジル病院サービス会社(EBSERH)の運営で高い評価を受けており、その業績を維持する方が安定的だという意見もある。
 一方、ニジア氏は20日、グローボ局のインタビューで、政権発足以来続いていた自身に関する「噂」に対する不満を表明し、「憶測に臆することはない」と述べ、前日にルーラと会談したが、解任の指示は受けていないと語った。同氏は「意見交換や情報の伝達における対立や困難」があったことも明かした。
 もしパジーリャ氏が保健相に就任すれば、大統領府内で別の重要なポストである渉外室長官の席も空くことになる。特に、与党内のセントロン派は、政府と国会との関係は良好ではないと指摘し、政治的なつながりを持つ同派の議員がこのポストを担当するべきだと主張している。
 ルーラ氏はパジーリャ氏の後任として、バイア州元知事で上院政府リーダーのジャッケス・ワグネル上議、または、下院政府リーダーのジョゼ・ギマランエス下議(共にPT所属)を最有力候補として挙げている。
 20日付エスタード紙(3)によれば、科学技術イノベーション相のルシアナ・サントス氏(ブラジル共産党・PCdoB)の交代も取り沙汰されている。同党の政府内での影響力が小さ過ぎるとの評価から、重要な閣僚職を担うには不適格だと見なされているためだ。後任には、サンパウロ市市長候補だったタバタ・アマラウ下議(ブラジル社会党・PSB)が最有力とされており、この交代により、国立再生可能天然資源環境院(Ibama)のロドリゴ・アゴスチーニョ院長がタバタ氏の補欠議員となる可能性が高い。ルーラ氏は、ペトロブラスがアマゾン川流域での石油探査を行う許可を得るための手続きをIBAMAが遅延させていることに不満を抱いている。
 アゴスチーニョ氏がIBAMAを離れることになれば、生物学者であり、環境分野での経験が豊富なマルシオ・マセド氏(PT)がその後任として見込まれている。同氏は、セルジッペ州の環境局長やアラカジュ市のIBAMAのスーパーバイザーを務めた実績を持っている。
 このような一連の変更は、ルーラ氏が進める政府の方向性を再調整するものとされている。特に、社会運動団体との関係が弱まっていることを受けて、これらの団体との関係を強化する方針だ。ルーラ氏は支持率低下を食い止めると共に、2026年の再選を見据えたキリスト教福音派層との接近も図っている。


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