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最高裁=ザンベリと落書き犯審理延期=クーデター疑惑審理の直前に=批判を和らげるための処置か

2025年3月26日

2022年10月29日のザンベッリ被告(Reproducao)
2022年10月29日のザンベッリ被告(Reproducao)

 24日の最高裁で、カシオ・ヌーネス・マルケス判事とルイス・フクス判事がそれぞれ、カルラ・ザンベッリ下議の審理と、23年1月8日三権中枢施設襲撃事件に関する審理で、更なる分析のための審議延期(ビスタ)を求めた。ボルソナロ前大統領を含む容疑者8人に対する、22年大統領選後のクーデター計画疑惑に関する起訴状受理についての審理を翌25日に控えた出来事だった。最高裁への批判を和らげるための処置と関係者が語ったと同日付フォーリャ紙(1)などが報じている。

 カシオ判事が審議延期を求めたのは、2022年大統領選の決選投票前日の10月29日に、ザンベッリ氏が自身をからかった黒人男性を銃を持って追いかけ回した件に関する審理だった。審議延期期間は最大90日とされている。
 ザンベッリ氏の一件は、選挙高裁が大統領選の前後3日間の銃の携行を禁じていたにもかかわらず起こったことで、当時から社会的な大問題とされていた。
 21日に始まった審理の報告官はジルマール・メンデス判事で、ザンベッリ被告に対し、5年3カ月の実刑と下議罷免を求めた。これに対し、カルメン・ルシア判事、アレッシャンドレ・デ・モラエス判事、フラヴィオ・ジノ判事が23日までにメンデス判事に同意し、4対0となっていた。
 カシオ判事が審理延期を求めたのはこの時点だった。これを受け、ザンベッリ氏は「裁判はまだ終わっていない」と感謝の声明を出した。ザンベッリ氏はこの事件に関して、「身の危険を感じたので銃を持って追いかけた」と主張し続けている。だが、禁止されていた銃の携行や相手が武装も暴力行為も行っていないことに関しては何も語っていない。
 だが、カシオ判事が審理延期を申し出たことで、2人の判事が投票を早めた。24日はクリスチアーノ・ザニン判事、25日午前中はジアス・トフォリ判事が有罪に賛成票を投じたのだ。これで判事投票は6対0となって有罪が過半数を超え、ザンベッリ氏には苦しい展開となっている。(2)
 ザンベッリ氏は熱心なボルソナロ氏支持者として知られているが、ボルソナロ氏は24日も、「私の任期を奪った」と語り、冷たく突き放した。ボルソナロ氏は投票日前日の騒動に関し、落選直後から「あいつのせいで落選した」と怒りを露わにしていた。
 一方、フクス判事が見直しを申し出たのは、1月8日襲撃事件でのデボラ・ロドリゲス・ドス・サントス被告の審理だった。同被告は襲撃事件の際、最高裁前にある「目隠し裁判の像」に落書きを行い、モラエス判事から14年の実刑を求められていた。
 襲撃事件に対する実刑年数は予てから厳しいとの批判の声が飛んでいたが、罪の意識もなく参加した女性美容師が口紅で行った落書きに対する判断に関しては特に強い批判の声が上がっていた。この件は第1小法廷での審理でモラエス判事とジノ判事が賛成。もう1人賛成すれば実刑が確定するところで、フクス判事が審理延期を求めたため、有罪か否かも確定していない。
 クーデター計画疑惑の容疑者の内、ボルソナロ前大統領など、ヒエラルキーのトップに立つ容疑者8人に対する起訴状の受理に関する審理は、前大統領の到着などを待ち、25日午前9時30分頃始まった。午前中は事前に報じられた審理手順に則り、開廷宣言、報告官の報告書朗読、検察側の見解表明、弁護人による個別答弁が行われ、予備的問題の審理を含む本格的な審理は午後からとなった。ただし、午後2時ごろからは休憩が入るなど、結審は26日になる見込みだ。


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