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秘密墓地=人権相が遺族に正式謝罪=軍政期の活動家殺害隠蔽に

2025年3月26日

ペルースの秘密墓地での式典で謝罪するマカエ人権相(© Paulo Pinto/Agência Brasil)
ペルースの秘密墓地での式典で謝罪するマカエ人権相(© Paulo Pinto/Agência Brasil)

 マカエ・エヴァリスト人権市民相が24日、サンパウロ市北部ペルースのドン・ボスコ墓地にある、軍政時代の死者と行方不明者のための記念碑の隣で、ペルースの秘密墓地の遺骨の保管と身元確認に失敗したことを公に認め、謝罪したと同日付G1サイトなど(1)(2)(3)が報じた。

[caption id="attachment_444292" align="alignright" width="300"]ペルースの秘密墓地から見つかった遺骨(© Arquivo Agência Brasil)
ペルースの秘密墓地から見つかった遺骨(© Arquivo Agência Brasil)[/caption]

 ドン・ボスコ墓地にあるペルースの秘密墓地は、1964~85年の軍政下に政治的迫害を受けて死亡した人々を葬ったものだ。同墓地発見は1990年9月4日で、1049個の骨が見つかった。また、弾圧の犠牲者を追悼する記念碑も建立された。
 マカエ人権相による謝罪は国の代表機関としての総弁護庁(AGU)と連邦検察庁(MPF)の間で2024年12月3日に承認された司法合意に基づくもので、謝罪文は「真実と正義のための追悼の日」を記念し、一般公開して開催された追悼式典で読み上げられた。
 「行方不明となった政治家の身元確認が遅れたため、民事訴訟が起きた。連邦政府は、人権市民省を通じて、ペルースの秘密墓地で発見された遺骨の身元確認作業を継続し、完了させることに全力を尽くす」と人権相は述べた。
 さらに、この秘密墓地は、1979年代に貧困層や身元不明者、軍事独裁政権の反対者と見なされた人々の遺体を埋葬するために違法に使用されていたことを認め、「真相委員会の報告書によると、ブラジル政府は国民の失踪を招いた重大な人権侵害を認識している。人権市民省は1990年の秘密墓地発見後に見つかった遺骨の身元確認における怠慢について、軍事独裁政権下での政治的失踪者の家族とブラジル社会に謝罪する」と続けた。
 式典では、軍事独裁政権の犠牲者の一人のフラヴィオ・カルヴァリョ・モリーナ氏の兄弟のジルベルト・モリーナ氏への謝罪の銘板贈呈も行われた。同氏は1971年に情報作戦分遺隊・国内防衛作戦センター(DOI―Codi)本部で拷問を受けて亡くなり、貧困者として秘密墓地に葬られた。
 同氏は秘密墓地で見つかった骨から身元が判明した5人の一人だ。身元判明は2005年で、ジルベルト氏は、「墓地発見から身元判明までの15年間は終わりのない通夜のようだった」と語る。
 人権相は、「被害者とその家族には人権侵害が起きた状況とその理由を知る権利がある。真実は過去、現在、未来の繋がりを修復し、再構築する道」とし、「独裁政権で殺害され、行方不明になった犠牲者の家族への謝罪は連邦政府による真実、記憶、正義に向けた第一歩に過ぎない」と強調した。
 同相によると、連邦政府は秘密墓地で見つかった骨の身元確認作業再開のための資金を保証し、独裁政権下で殺され、行方不明になった人達の死亡証明書の訂正も求めている。


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