ポルトガル語博物館=多様性と多元性探る展示会=話し方やアクセントを通し

サンパウロ市ポルトガル語博物館で28日、「ファラ・ファラール・ファラーレス(Fala Falar Falares)」と称する展示会が始まった。
各国の人が話す言葉やアクセント、話し方は、その国の言語の長い歴史の記憶をよみがえらせる。ポルトガル語もまた然りで、宗主国ポルトガルからの移住者や先住民族、アフリカからの黒人など、多くの言語や方言との交雑が多様性と多元性を生じさせた。
28日に始まった新しい展示会は、舞台デザイナー兼映画監督のダニエラ・トマス氏と作家兼言語学者のカエタノ・W・ガリンド氏が監修し、国内のあらゆる場所での様々な話し方や多様なアクセントを紹介する。また、身体から発する音を操作する能力や、その能力が話し方や音楽の創作、同じ言語内での自己表現の方法を変えることにどのように作用するのかなどについても教えてくれる。
トマス氏によると、この展示会はブラジルのポルトガル語の多様性を探るというアイデアで始まったが、最終的にはもう少し大きなものになったという。同氏によると、この展示会は、呼吸し、話し言葉や身の回りの現実に名前を与える言葉の音を出すために使う空気という最も基本的なものから始まり、これらの言葉がどこから来たかや、各言語がどのように形成され、どのように変化するか(変化してきたか)についても語る、長い旅だという。
同氏は、この展示会の目的は話す能力がいかに特別なものであるかを一般の人に考えてもらうことだとも強調。人はみな、表現し、伝え、考える力を持っているが、自分の中にどんな言語があるのかや自分自身のこと、自分の中の言語がどれほど大きな役割を果たしているのか、それてそれが人間関係と人間からの贈り物だということに気づく場となることを求めているという。
展示は特別展示室に続くエレベーターから始まり、「私に触れないで(Não-me-Toques)」その他の興味深い市の名前を展示。ガリンド氏が約500市の名前を織り込んで作った25の詩は、6月に出版される『As Cidades』という本の中にまとめられるという。
また、人の呼吸音を捉え、音が発せられると脈動する光の投影装置に接続されたマイクを使って話したり、歌のフレーズを話した時に生じる体内の動きを磁気共鳴画像装置で撮影した画像を見たりして、どのようにして発話が起きるのかを示す展示室や、人体の各部分を説明する動作検知室、録画したビデオを使ったクイズなども用意。
12人の人達が各自が持つ誇りや帰属意識、偏見などについて、自分の言葉、自分の話し方で語る様子を12台のテレビ画面で示す部屋もあり、他者との絶対的な違いは、分裂や排除、二極化、緊張などを生み出すのでななく、永続的な魅力を生み出すのだということを示す。
ガリンド氏は、一人一人が互いに、完全に異なっているという事実を認め、それによって団結することはすべての問題の鍵とし、「言語は議論したり、社会学的な実験を行ったりする驚異的な舞台だ」という考え方を示した。
展示会は9月14日まで開催されており、土、日曜日は入場料が無料となる。博物館の休館日は月曜日で、開館時間は9~18時。ただし入館は16時30分までとなっている。(1)(2)