■訃報■「たちばなの会」代表の広川和子さん

文章サークル「たちばなの会」代表の広川和子さんがサンパウロ市内の病院で16日に亡くなっていたことが分かった。行年88歳。昨年11月に脳梗塞を発症し、入院加療中だった。日本から子息が来て、キリスト教会でミサを行う予定とのこと。詳細は不明。
広川さんは1937年東京都生まれ。公務員の親の転勤で神戸、長野、静岡、前橋、宇都宮、水戸、浦和に移り住む。日本女子大学卒。ポルトガル語学科専任外国人教師やNHKブラジル向け短波放送の担当者をして40年以上も日本に住んでいたブラジル人の夫マウリシオ・クレスポさんと結婚後は東京在住。
夫が営んでいた出版社「新世界社」から広川さん訳で『ブラジル文学短篇集』(1977年)、『人狼 : ブラジル怪奇傑作集』(エルベルト・サーレス著、1978年)、『母なる奥地』(ディナー・S・ケイロス著、1979年)など複数の訳書を出版。
2004年8月、夫の健康上の理由もあって、日本で大学を卒業した子供たちを置き、二人でブラジル在住になった。2009年からサンパウロ市で「たちばな会」を主宰。毎月2回、テーマを決めて文章を書いて発表、批評しあって研鑚していた。2009年からしばらく『ブラジル日系文学』編集長も務めていた。